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風間ジュニア“父譲り”FK弾 18大会ぶり3回戦導いた

[ 2012年1月3日 06:00 ]

<清水商・山陽>父譲りの華麗なプレー!後半、ヒールでパスを出す風間

 第90回全国高校サッカー第3日は2日、駒沢などで2回戦16試合が行われ、11大会ぶりの出場で4度目の優勝を狙う清水商(静岡)は山陽(広島)に6―0で大勝。元日本代表MFの風間八宏氏(50=スポニチ評論家)の次男でU―18日本代表候補のFW風間宏矢(3年)が直接FKで初ゴールを決めるなど3点に絡む活躍で名門を18大会ぶりの3回戦進出に導いた。また初出場の桐生一(群馬)は、J1新潟入りが内定しているFW鈴木武蔵(3年)のハットトリックなどで大社(島根)を破った。

【2日試合結果】

 駒沢の寒風を切り裂く豪快な一撃だった。MF風間の記念すべき選手権初ゴール。3―0の後半6分、ゴール正面約25メートルのFKで右足を振り抜くと、ライナー性のシュートで6枚の壁の右から2人目を越してゴール右上に突き刺した。

 「とにかく点を決めたかった。初戦(のFK)は置きにいってふかしたりしたので、足を振り抜くイメージで蹴った」。Jリーグで日本人初の直接FKゴールを決めるなどプレースキックの名手だった父・八宏氏をほうふつさせるゴール。1回戦に続いてスタンド観戦した父からは細かい技術的な指導は受けていないが「FKはボールだけを見て壁の頭を狙え」と言われていたアドバイスを実践してみせた。「FKは自分よりうまい」という清水商で2学年上だった兄・宏希(20=ドイツ4部コブレンツ)とともに1年時から居残り練習を続けてきた努力が大舞台で花開いた。

 全国の舞台は兄とともに出場した1年時の高校総体以来2回目と全国的には無名。個人的な野望は父の名前が先行する“風間ジュニア”としてではなく、一選手の“風間宏矢”として認められることだ。「“風間ジュニア”と言われることは当たり前。父さんに関係なく“凄いな”と思われる選手になりたい」。高い目標を掲げるからこそ、1得点だけでは満足できない。後半12分には突破からのシュート、同18分に直接FKをともにポストに当てて追加点を演出したが「もっと仕掛ける回数を増やさないと」と前を向いた。

 3回戦進出は、GK川口能活(磐田)らを擁して3度目の優勝を果たした93年度以来。強豪対決となる市船橋との対戦に向けて「強いのは分かっている。みんなで楽しんで、元気を出して戦えば結果はついてくると思う」。MF小野伸二(清水)をはじめ、父も兄も付けた清水商伝統のエース背番8をつけた主将が、静岡の名門を復活の優勝に導く。

 ◇風間 宏矢(かざま・こうや)1993年(平5)4月16日、広島県生まれの18歳。3歳からサッカーを始める。97年に清水市(現静岡市清水区)に転居。江尻SSS、清水FCを経て清水商に入学。得意科目は国語。趣味は映画観賞。好きな選手は本田圭佑(CSKAモスクワ)。家族は両親と兄、姉2人。1メートル80、71キロ。血液型B。

 ▼山陽MF万代 攻撃の狙いはカウンターだった。前半に風上を取って波に乗りたかったが、先に点を取られた。後半最初の3点目が痛かった。最後まで明るく楽しんでやれたし、みんな悔いはないと思います。

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2012年1月3日のニュース