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過密日程なんの!!C大阪、清武弾から5発逆転

[ 2011年9月11日 06:00 ]

<C大阪・広島>後半、ゴールを決める清武

J1第25節 C大阪5―4広島

(9月10日 長居)
 エースの一撃からC大阪が大逆転勝ちした。日本代表MF清武弘嗣(21)は広島戦に先発し、0―3の後半1分にミドルシュートで今季6点目を決めた。チームはこれで勢いづき、5―4で逆転勝ちを収めた。U―22日本代表で五輪アジア最終予選に臨む清武にとって、五輪出場権獲得に弾みをつけるリーグ再開となった。

 劣勢ムードを一撃で振り払った。3点ビハインドで突入した後半開始直後の1分だ。MF清武は右サイドから中央へドリブルで切り込み、こん身の力で左足を振り抜いた。シュートは相手DFに当たってゴールネットを揺らした。8月6日のアウェー・川崎F戦以来、リーグ6試合ぶりとなる今季6点目。「スペースがあったので落ち着いていた」。右MFの定位置に戻ると、左拳を握りしめ、気合を入れ直した。それが大逆転劇の幕開けだった。

 試合開始早々に守備の要の茂庭が負傷交代するアクシデントがあり、前半だけで3失点の苦しい展開。ハーフタイムにクルピ監督は「目を覚ませ」とイレブンにゲキを飛ばした。「キヨのゴールで火がついた。これでいけるという感じになれた」。DF藤本が話したように、日本代表の入魂ゴールでチームは覚醒。途中出場のFW播戸のハットトリックなどで一気に5ゴールを奪った。

 重圧にも負けない強さが背番号13に備わった。昨季、香川がドルトムントに移籍。清武は後継者として期待されたが、香川に見合うだけの活躍はできなかった。だが、今年は違う。日本代表デビューとなった8月の韓国戦で2アシストを記録すると、2日のW杯アジア3次予選の北朝鮮戦でも吉田の決勝弾をアシスト。周囲の期待が大きくても、プレッシャーをはねのけられる選手に成長した。

 今後は14日のACL準々決勝・全北戦(長居)、21日にはU-22日本代表のマレーシア戦(ベアスタ)が控える。日本で最も忙しいサッカー選手として過密日程に臨む。「調子に乗ったら(相手に)食われてしまうので切り替えたい」。2つのカテゴリーで日の丸を背負う21歳は、周囲の想像以上にたくましさを増している。

 ≪3度目の奇跡≫C大阪が3点ビハインドから後半だけで5ゴールを量産して広島に逆転勝ち。過去J1での最大得点差逆転は3点差で、06年のFC東京以来通算7度目(延長戦を含む)。C大阪は97、03年に続いて最多となる3度目の奇跡を起こした。

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2011年9月11日のニュース