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U―17“中田世代超え”へ「歴史を変える」

[ 2011年6月30日 06:00 ]

U―17W杯

(メキシコ・モンテレイ)
 U―17日本代表が“中田世代超え”を狙う。U―17W杯に参加中の日本は29日(日本時間30日午前8時キックオフ)に決勝トーナメント1回戦でニュージーランドと対戦する。決戦前日の29日、日本イレブンはメキシコ・モンテレイ市内のグランドで最終調整を行った。18年ぶり2度目の決勝トーナメントの舞台となるが、中田英寿らを擁した93年は1回戦で敗退(ベスト8)。日本史上初となる決勝トーナメントでの1勝で、歴史を塗り替える。

 強烈な日差しが照りつける中で行われた最終調整。紅白戦では吉武監督がプレーを止めながら細かい指示を出して、徹底的に戦術を確認した。「選手の3試合の成長ぶりに驚いている。ただ、決勝トーナメントに行くことが最終目的ではなくて、ここから4試合できるような試合にしたい」。大会前に目標として掲げていた「ファイナリスト」に向けて、指揮官は勝利だけではなく試合内容にもこだわった。

 もちろん、選手たちも気持ちは一緒だ。1次リーグはフランス、アルゼンチンを抑えて堂々の1位突破となったが、最終ラインをまとめるDF植田は「決勝トーナメントが自分たちの目標ではない」と満足感はなかった。4試合連続の先発で、FW起用が確実なDF早川も「もっともっと上を目指して、日本の歴史を変える気持ちでやりたい」と意気込んだ。ニュージーランド戦では日本初となる決勝トーナメントでの勝利が懸かっている。中田、宮本の世代が勝ち取れなかった1勝を挙げて、歴史に名を刻むつもりだ。

 3月11日に発生した東日本大震災で甚大な被害を受けた日本に対して、ニュージーランドも2月22日にクライストチャーチで起きた大地震で多くの犠牲者を出した。吉武監督は「国民が復興しようという気持ちで躍起になっているときに、それぞれの国に元気が出るようなフェアないい試合がしたい」と神妙な面持ちで話した。早川も「フランス、アルゼンチンという強国とやったことで、自信もついて、堂々とやれる気持ちが加わった」と話した。戦いながら成長していく日本が、一歩一歩決勝への階段を上っていく。(安藤隆人通信員)

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2011年6月30日のニュース