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ザック監督、本気!練習「オープン」のはずが…

[ 2011年6月1日 06:00 ]

練習中に指示を出すザッケローニ監督

キリン杯 日本―ペルー

(6月1日 東北電ス)
 日本代表のアルベルト・ザッケローニ監督(58)が本気モードに突入した。5月27日のメンバー発表会見では、今回の合宿の練習を全て公開する方針を示していたが、前言を撤回して、この日の練習は冒頭15分を除き非公開で行った。関係者によると練習メニューも急きょ変更したという。1日のペルー戦は今年初の親善試合だが、3カ月後に開幕する14年W杯ブラジル大会アジア予選をにらみ、イタリア人指揮官はあくまで真剣勝負を仕掛ける。

 親善試合と思えぬ本気モードだった。ペルー戦前日の公式会見。時折ジョークを交え笑顔も見せたが、終始ぴりぴりとした緊張感を漂わせたザッケローニ監督は「W杯予選まで時間がわずかしかない。1秒たりとも無駄にできない」とペルー戦の重要性を強調した。

 視線は9月開幕の14年W杯ブラジル大会アジア3次予選に向けられていた。南米選手権を辞退したことにより予選まで残された強化試合は3試合。既にアジア杯制覇の余韻などない。「予選敗退は絶対に許されない」。4大会連続出場しているW杯本大会の切符を逃すことの重大性を誰よりも感じている。

 指揮官の緊張感は行動にも表れた。5月27日のメンバー発表会見では「今合宿では練習を全てオープンにしますよ」と断言。だが、この日公開されたのは冒頭15分間のみ。ゴール裏の方向にある通路には外部から見えないようにするためのブルーシートが張られた。就任後初めて「ザックのカーテン」が敷かれた。

 非公開の理由について関係者は「セットプレーをやるので」と説明したが、実際は練習内容も違った。関係者によるとセットプレーは行わず、大半を3―4―3でのミニゲームに割いたという。さらに選手にはかん口令も敷いた。練習後のミックスゾーンで選手は皆「詳しいことは話せません」と口をつぐんだ。

 指揮官は会見で「あすの試合は最初と最後のシステムが恐らく変わっている」と“カメレオン戦術”の導入を明言。さらに「攻撃スピードを上げないと相手を驚かせない」と話した。就任後初の公式戦となったアジア杯を制覇し最高のスタートを切った名将が、3カ月後に始まるW杯予選に向けて早くもギアを上げた。

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