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俊輔劇場だ!いきなり実力証明アシスト

[ 2009年7月27日 06:00 ]

<エスパニョール・ペララーダ>後半、絶妙のスルーパスを通す中村俊輔

 エスパニョールのMF中村俊輔(31)が“デビュー戦”でアシストを記録した。ジローナ合宿10日目の25日に行われた地元アマチュアクラブ、ペララーダ(カタルーニャ地方リーグ1部)との練習試合の後半に、4―2―3―1の右MFで出場。後半38分に絶妙のスルーパスでゴールを演出して4―0の勝利に貢献し、地元各紙からも絶賛された。

 黄金の左足に3000人の観衆の視線がくぎ付けになった。チーム合流から13日目。初の対外試合で、いきなり中村が魅せた。後半38分、サハルの後方からのパスを受けると、DFを引き付けてスルーパス。ゴール前に走り込んだイバン・アロンソのゴールを演出した。「ボールを受けた瞬間に周りが走り出してくれた。一瞬でイメージがわいた」。絶妙のアシスト。会場は「Nakamura!」の大合唱で新入りハポネスを祝福した。

 前後半でメンバーを均等に分けた試合で、中村は4―2―3―1の右MFで後半に出場。序盤はボールに絡む機会が少なかったが、14分にロマンにスルーパスを通して勢いに乗った。20分には左足でポスト直撃の約20メートルのシュートを放ち、後半3本あったCKですべてキッカーを担うなど躍動。格下相手とはいえ、存在感は抜群だった。

 ポチェッティーノ監督は「最初は右に置いたが、自由にやらせた。どこでもプレーできる選手」と高く評価。一夜明けた26日付のスペイン各紙も中村のプレーを大々的に報道した。エルムンド・デポルティーボ、アスは1面に中村の写真を掲載。「中村劇場」「中村は本物のスターだった」などの見出しが躍った。一部では商業的な意味合いの強い補強と報じられたこともあったが、わずか45分間で実力が伴っていることを証明した。

 29日に地元アマのパラフルジェルとの練習試合、8月2日には新スタジアムのコルネジャ・エルプラットのこけら落としとなるリバプールとの親善試合が待つ。中村は「まだ課題は山積み。でも、頭がだいぶ柔らかくなってきたので、これからもっとイメージがわいてくると思う」と手応えを口にした。確かな一歩をしるしたデビュー戦。試合後、ピッチに乱入したファンにもみくちゃにされた姿が、新天地で認められた証だった。

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2009年7月27日のニュース