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ホーム横浜で魅せる!俊輔、個人技解禁宣言

[ 2009年6月10日 06:00 ]

GK川島永嗣を相手にFKの練習をする中村俊輔

 日本代表のMF中村俊輔(30=セルティック)が9日、10日のW杯アジア最終予選カタール戦(日産ス)で、卓越した個人技を存分に披露することを宣言した。フォア・ザ・チームの精神を貫き、ここ2カ月間は個人技を封印し続けてきたが、生まれ故郷・横浜でのホーム最終戦ということもあり方針転換。世界屈指のテクニックで地元サポーターを魅了する。

【W杯アジア最終予選A組
日本代表メンバー


 中村の意気込みには並々ならぬものがあった。すでにW杯出場を決めており、カタール戦は消化試合。だが、17日のアウェー・オーストラリア戦を欠場予定の中村にとっては、セルティックの試合も含め今季52試合目となるW杯南ア大会の最後の予選が、今シーズンのラストゲームとなる。

 地元・横浜での凱旋試合でもあるだけに「(地元)横浜だし、ムダな試合は1試合もない。あしたが自分にとって今季最後の試合。堂々と勝って終わりたい。1人で何かをするのも(背番号)10番。あの選手がいたから勝てたというプレーをしたい」と、個人技を解禁してカタールをねじ伏せることを誓った。

 恩師のさりげない一言が刺激となった。この日の代表練習には、横浜ジュニアユース時代に指導を受けた、J2横浜FCの樋口監督の姿があった。その樋口監督から「チームのことを考え過ぎてしびれていないなあ」と声を掛けられた中村は「しびれるプレーとは周囲が驚くプレー。自分にしかできないプレーを意識してやりたい」と自らに言い聞かせるように話した。

 実は、ここ2カ月間は個人技を封印してきた。所属のセルティックではレンジャーズとの激しい優勝争いの中で「前の敵をドリブルで抜くより前の選手に預ける」というイメージを徹底。5月29日から合流した代表でも同様だった。もちろん、チームプレーをおろそかにするわけではない。中村も「それがないと代表にも呼ばれなかった」と周囲との連動の重要性を口にしつつ「それプラス、自分らしいプレー。ウズベキスタン戦はそれができずに、チームの助けになれなかった」と今度は自らの個人技でチームを勝利に導くつもりでいる。

 「あしたは自分らしいプレーを出す」と中村。日本が世界に誇るファンタジスタが、故郷・横浜での“今季最終戦”で、W杯予選突破に沸くサポーターを虜(とりこ)にする。

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2009年6月10日のニュース