×

渡部暁 団体は無念5位…飛躍で出遅れ「悔しさと敗北感」

[ 2014年2月21日 05:30 ]

日本の最終走者・渡部暁は5位でゴール

ソチ五輪ノルディックスキー複合団体

(2月20日)
 ノルディックスキー複合団体で日本は5位に終わった。個人ノーマルヒル銀メダルの渡部暁斗(25=北野建設)を軸に20年ぶりの団体メダルを狙ったが、前半飛躍で6位と出遅れた。首位と1分5秒差でスタートした後半距離も順位を1つ上げただけで、優勝したノルウェーとは1分以上の差をつけられて5位。18日の個人ラージヒルで負傷し、欠場したチーム主将の加藤大平(29=サッポロノルディックク)の分まで一致団結したものの、メダル争いには絡めなかった。

 アンカーとして渡部暁は懸命に前を追った。「勝機が薄いことは分かっている。でも、とにかく全員が全力で走ってどうなるかやってみよう」。前半飛躍で首位から1分以上も出遅れた日本。作戦など立てずに全員が遮二無二走るしかなかった。

 だが、上位3チームはおろか、4位の背中も遠い。第1走の永井が順位を上げてからは4人ともほぼ単独走。5位のまま淡々とレースは終わった。「今では銀メダルはもの凄く過去のこと。なかったことにしてもいいぐらい。悔しさと敗北感がこみ上げてきている」と唇をかんだ。8日前の個人ノーマルヒルで銀メダルを獲得した喜びは雲散霧消していた。

 結束力の固さを誇る「いいチーム」でメダルを狙っていた。今季は全員でそろいの帽子をつくり、遠征時にかぶった。選手間のミーティングも頻繁に行うようになり、技術よりも「今回の合宿の雰囲気はどう?」といったチームとしてのまとまりについて議論した。それが成果となったのが今季W杯開幕戦での団体3位だった。

 18日の個人ラージヒルではキャプテンの加藤が負傷し、団体戦の欠場を余儀なくされた。メンバーそれぞれに加藤のアイテムを身につけ、渡部暁も距離用のグローブを借りて滑った。「大平さんの分も5人でレースをしている気持ちだった」。だが、ジャンプで距離の稼げる加藤が消え、渡部善と湊はジャンプの不調から抜け出せていなかった。ここにきてチームの総合力が落ちたことが結果となって表れた。

 渡部暁は「次の五輪では金を3つ獲るつもりでやっていきたい」と語った。もっと遠くに飛び、もっと速く走る。もっと強く日本を引っ張るために、4年後にやってくる五輪までW杯の舞台に戻って力を養っていく。

 ▼加藤 キャプテンという立場なのに士気を下げるようなことになって申し訳ない。本番で力になれなくて情けない。(脱臼骨折した左腕を固定しながら試合を観戦して悔し泣き)

続きを表示

この記事のフォト

2014年2月21日のニュース