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陸上ロシア女子 抜き打ち検査で別人の尿

[ 2008年8月3日 18:05 ]

 国際陸連がこのほど摘発した北京五輪代表5人を含むロシア陸上女子選手の大量ドーピング違反は、抜き打ち検査で別人の尿検体を提出する違反だったことが3日、関係者の話で分かった。この関係者は「何かが起きている。ロシア陸連の対応に注目している」と組織的なドーピング疑惑に発展する可能性を示唆した。

 昨春からの調査で国際陸連がロシア選手に注目したのは、抜き打ち検査での異常に低い違反発生率だった。強豪国を対象にした抜き打ち検査では一定の割合で違反者が出る。しかしロシアの女子選手からは陽性反応がほとんどなく、居所が分からずに検査を受け損ねるケースも極めて少なかったという。
 不審に思った国際陸連は競技会の検査での尿検体と、抜き打ち検査で採取した検体のDNA鑑定を実施した。その結果、二つの検体が別人のものであることが判明し、今年3月に千五百メートルの室内世界新記録を出したエレーナ・ソボレワら7選手を資格停止とする暫定処分を科した。
 ドーピング検査では検査官が一緒にトイレまで入り、尿検体が選手本人のものであることを確認する。抜き打ち検査で別人の尿が提出されたことについて、関係者は(1)隠し持っていた別人の尿を、検査官の前で採取した(2)検査官の確認がずさんだった―などの可能性を指摘。(1)の場合は検査情報が漏れていた疑いが強いとしている。(共同)

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2008年8月3日のニュース