【ファンタジーS】アロマデローサ 無傷3連勝へ!バラ一族咲き誇る仁川の秋

[ 2022年11月2日 05:30 ]

アロマデローサ
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 血の後押しを受け、重賞獲りにチャレンジだ。「第27回ファンタジーS」はうら若き2歳牝馬が集う。新馬、ききょうSと連勝中のアロマデローサは旬のバラ一族。良血らしく、レースぶりから素質の片りんがうかがえる。距離は経験済み、初コースを気にするタイプでもない。初タイトルが視界に入っている。

 華やかなバラ一族からニューヒロイン誕生の期待が高まる。アロマデローサは新馬、ききょうSと連勝中。小倉芝1200メートルの初戦はスッと好位につけ、鮮やかに抜け出した。前走は道中5番手で脚をためると直線、馬場の真ん中から力強く伸びて快勝。勝ち時計1分20秒4で中京芝1400メートルの2歳コースレコードを塗り替えた。初起用となった左回り、1F延長をクリア。センスの良さを示す内容だった。池添学師は「馬群の中でも落ち着いて運べたし、最後は切れる脚を使ってくれました。速い時計にも対応できたし、距離は千四でも問題ないですね」と収穫を口にする。

 池添学厩舎にとって縁が深い血統だ。厩舎の先輩でもある母ローズウィスパーは右前屈腱炎で引退を余儀なくされたが、2歳秋のデビューから約2年間の現役生活で3勝した。「母も(気性的に)扱いやすく、屈腱炎で引退したけど能力の高い馬でした」。そんな母にキンシャサノキセキを配合。胴長で中距離向きの母と違い、胴が詰まって短めの距離が合う。「いいスピードがありますよね」と持ち味をアピールする。

 中6週となるこの中間は短期放牧でリフレッシュし、先月18日に栗東に帰厩。同26日の1週前追いはCWコース3頭併せでヴェントボニート(5歳1勝クラス)が先導役を務め、2頭出しの僚馬ブトンドール(2歳オープン)が続いて最後方から。2頭に1馬身ほど遅れたもののラスト1F11秒1(5F68秒2)とよく動けていた。「帰厩して長めの追い切りが1本目だったので、しっかり負荷をかけました。相手が動いたので遅れたけど、いい動きでしたよ」と納得の表情を浮かべる。「差しが決まる今の阪神の芝はいいと思います」と好走パターンをイメージ。厩舎は違うが、はとこにあたるスタニングローズが先月16日に秋華賞を制した。深まる秋、仁川のターフに再びバラが咲き誇る。

 《バラ一族の起源は93年に仏から輸入》バラ一族の起源はノーザンファームの吉田勝己代表が93年にフランスから輸入したアロマデローサの高祖母ローザネイ(4代母)にさかのぼる。ローザネイが産んだ一族初の重賞勝ち馬ロゼカラー(95年デイリー杯3歳S)は96年エリザベス女王杯13着後に引退、繁殖入り。その初子となるローズバド(01年フィリーズレビュー、03年マーメイドS勝ち)の3番子ローズキングダムが09年朝日杯FS、10年ジャパンCを制してバラ一族の悲願でもあるG1制覇を飾った。

 先月16日の秋華賞はスタニングローズが勝利。曽祖母ロゼカラーが96年3着、祖母ローズバドが01年2着に敗れた3歳牝馬3冠ラストの舞台で、一族初の牝馬G1ウイナーに輝いた。現2歳世代ではアロマデローサの他にチャンスザローゼス(母ヴィンテージローズ、祖母ロゼカラー)がオープン(アイビーS)勝ちを収めている。

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