【川崎】騎手紹介⑱デビューから南関初勝利まで5年余 本田紀忠のあきらめない心の強さ

[ 2022年2月28日 12:00 ]

粘り強さが信条の本田紀忠
Photo By 提供写真

 本田紀忠(36)は07年デビューの中堅騎手だ。

 08年に高知武者修行で2勝、11年に北海道武者修行で1勝を挙げていたが“ホーム”南関での勝利までが遠かった。

 12年9月6日の川崎4R。シンフォニーヒルズに騎乗し、人気馬レティセラをきっちりマーク。最後の直線はその人気馬との一騎打ち。待望の南関初勝利を飾った。

 あれから9年超。その間、岩手での武者修行なども経験したことに「人と人とのつながりもできましたし、人として成長できたと思います」と振り返った。

 そんな苦労人は「人よりも体が小さかったですし、たまたま競馬場へ連れていってもらって、こういう職業があるんだと思い、それから目指すようになりました」と騎手になった経緯を語る。中学を卒業後、乗馬クラブの研修生、川崎での厩務員見習いを経て20歳で地方競馬教養センターの騎手課程に入学。人より回り道をしてようやくたどり着いた騎手人生だ。それだけに「最後まであきらめない気持ち」を自身のアピールポイントに挙げたのも当然のことだろう。

 通算19勝した中で思い出の馬を聞くと「母の誕生日に勝ったサンベリーニです」と回答。20年6月9日に騎乗して勝利し、親孝行できたことをうれしそうに語った。

 そんな本田が尊敬する騎手に挙げたのが川崎の今野忠成騎手だ。「すごく人として尊敬しています。競馬場が苦しい時期など人のために動いてくださって、本当にすごいと思います」と明かした。

 また、自身のオフの過ごし方については「最近やっと運転免許を取ったので、運転すること。すごくドキドキしますが楽しいです」とユーモアも忘れなかった。

 地方競馬の魅力について「走らないと言われていたり、ダメだと思ってる馬でも、少しでも良くしようとしながらがんばるところと、最後の直線でのあきらめない姿」と語り、川崎に関しては「激しい先行争いや駆け引きがある。競馬場はすごくおしゃれな感じで初めての方でも楽しんでもらえると思います」とアピールした。

 今後の目標を聞くと「少しでも、元気を与えられるような騎乗をしますので、よろしくおねがいします」と力を込めた。粘り強さが信条の男らしい言葉だった。

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2022年2月28日のニュース