【川崎】騎手紹介⑰サッカーから騎手へ目標変更で躍動 新人女性ジョッキー神尾香澄に注目

[ 2022年2月28日 12:00 ]

勢いが止まらないルーキー神尾香澄
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 ルーキー神尾香澄(20)の勢いが止まらない。

 昨年4月19日にデビューすると、5月26日の42戦目にマッドシェリーに騎乗し初勝利。20年は14勝を挙げ、22年に入ってからもすでに6勝。計20勝と結果を残している。

 南関東では19年の中島良美(浦和)、20年の北島希望(浦和)に続き3年連続3人目、川崎では93年初騎乗の戸川理彩(引退)以来18年ぶりの女性ジョッキーだ。成績を残すたびに知名度も人気も上昇している。

 ルーキーイヤーを振り返り「いいことばかりではないし、辛いことの方が多いですね。でも勝った時の喜びは、こういう仕事をしているからこそ」と語る。「コツコツですが、しっかり結果が出ていることはうれしい。でも競馬だけが仕事ではない。午前2時半に起きて馬に乗るし、勝てない時もある」と厳しい現実にも直面している。

 先日、成人の日を迎え、地元・静岡の友人と語り合った。その大半がまだ学生とあって「(友達のように)遊べてないから、楽しめていない部分もある。もうちょっと自由がほしいとは思うけれど、私には頑張れる場所があるし、応援してくれる人もいる」と気合を入れ直した。

 サッカーで鍛えた運動神経が大きな武器だ。中1まで競技を続け、女子サッカー静岡県選抜になったこともある。日本代表FW岩渕真奈に憧れ、自身のポジションもFWだった。しかし、身長が1メートル47だったこともあり、サッカーから騎手に目標変更。「小柄な体格を生かしプロスポーツ選手になりたかった」。高校を2年で中退して騎手の道に入った。

 普段は所属する山田質厩舎(きゅうしゃ)の兄弟子・藤江渉と仲がいい。「(レースなどで)疲れているはずなのに、しっかりと面倒をみてくれていい先輩です」と尊敬する。そして、休日はショッピングや、多摩川でサッカーのリフティングをしてリフレッシュ。新人ゆえ「あまり時間がないことが悩みです」と苦笑した。

 4月からは2年目に突入する。地方競馬の魅力について「距離が短いのでスタートが大事。熱いレースが見られます」と語る。

 自身の目標については「まだ技術が全然足りない。レース映像を見たり、トレーニングを頑張って先輩方に追いつけるようにしたいです」と謙虚だった。そして「ちゃんと大きなレースに乗せてもらえるように、信頼されるようになりたい。まずはお客さんに納得してもらえるレースをしたい。温かく見守ってください」とアピールした。

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2022年2月28日のニュース