【いわき平・オールスター】古性 G1初V、脇本と近畿ワンツー 4年越し雪辱「感謝」

[ 2021年8月16日 05:30 ]

第64回オールスターで優勝し、賞金ボードを持つ古性
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 G1「第64回オールスター競輪」の決勝戦が15日、いわき平競輪場で行われ、打鐘で先行した脇本雄太をゴール前でかわした古性優作(30=大阪・100期)がG1初優勝。賞金4694万円とグランプリの出場権利を獲得した。脇本が2着に逃げ粘って、2車単<4><2>は690円(1番人気)の決着だった。

 浪速のファイターがこん身の差し脚で真っ先にゴールを駆け抜けた。「訳が分からなかった。どうなっているか分からなかった」。6日間の長丁場の頂点に君臨した古性に派手なガッツポーズはない。優勝を確信すると自身の喜びを表現するよりも、真っ先にワンツーを決めた脇本の背中を叩き先輩に感謝。常日頃からラインを大事にするニューヒーローはカクテル光線に照らされて光り輝いた。

 千載一遇のチャンスが訪れた。東京五輪からぶっつけで参戦した脇本が古性の前で打鐘から先行。最終バックすぎ4番手から脇本と同じく東京五輪で日の丸を背負った新田が捲ってくる。「(新田を)張るかどうか考えて、前へ踏んだ方が(新田は)しんどいと思った」。冷静沈着に対応し番手絶好の好機をきっちり手中に収めた。18年のいわき平オールスター決勝では脇本に離れて苦汁をなめたが、4年越しのリベンジ。「家族やここまで前で頑張ってくれた近畿の後輩、そして村上義弘さんら先輩たち。練習で支えてくれた郡山久二(55期引退)さんに感謝したい」とサポートしてくれた仲間たちへの熱い思いを口にした。

 7回目のG1決勝で手にした大きな勲章。「松浦(悠士)君、郡司(浩平)君の同級生が(G1を)優勝してて何とか追いつきたいと思っていた」。競輪界の顔として活躍する同世代のライバルたちに負けたくない一心で、泥臭くも熱い走りで突っ走ってきた。「タイトルを獲っても獲らなくても自分のスタイルを貫いてやっていく。今後もブレずに自分のレースをやっていきたい」。浪速の暴れん坊は胸を張り強く誓った。

 ▽決勝VTR 新田がスタートを決めて佐藤―守沢―成田―中川―脇本―古性―平原―深谷で周回。赤板から単騎深谷が上昇、続いた脇本―古性―平原が打鐘で仕掛ける。新田が4番手に追い上げて深谷をさばく。脇本―古性―平原―新田―佐藤―守沢―成田―中川で最終周へ。最終Bから新田が捲るが不発。古性は新田をけん制しながら直線抜け出し優勝。脇本が逃げ粘り、守沢は直線外伸びる。

 ◇古性 優作(こしょう・ゆうさく)1991年2月22日生まれ、大阪府出身の30歳。私立清風高卒。11年7月プロデビュー。通算成績は864戦259勝。通算取得賞金は3億7544万円。主な優勝は第64回オールスター(21年)。1メートル68、77キロ。血液型O。

 《目標突破》今シリーズの売り上げは117億8382万円で目標額の110億円を上回った。

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