【大阪杯】ミルコ神まくり!リチャード“悲願”初G1制覇

[ 2018年4月2日 05:30 ]

M・デムーロを背に後方から攻め、大阪杯を制したスワーヴリチャード(左)
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 鬼門の右回りも関係なし!!「第62回大阪杯」が1日、阪神競馬場で行われ、1番人気のスワーヴリチャードがG1初制覇。スタートで出負けした同馬だったが、鞍上のミルコ・デムーロ(39)は向正面から“神まくり”で進出。3コーナーで先頭に並び掛け、直線でも“二段階加速”で後続の追い上げを振り切った。管理する庄野師もJRA・G1初勝利。2着にペルシアンナイト、3着にアルアインと、4頭が出走した池江勢はあと一歩届かなかった。

 鬼門の右回りを克服。M・デムーロが早め先頭に立つ、巧みな騎乗で相棒に初タイトルをもたらした。逃げたヤマカツライデンの前半5Fは61秒1と予想よりも大幅に遅いペース。その流れを向正面入り口で見切るや、外々を加速して3角で先頭に。「有馬(4着)は流れが遅くて外々を回らされた。ペースが遅かったら出していこうと思った」と鞍上。芝丈が短くスピードに乗りやすい内ラチをピッタリ回り、余力十分に直線へ。課題の左手前もラスト1Fでスムーズに変換。“二段階加速”で2着ペルシアンナイト以下をねじ伏せた。予定通りの内容に鞍上はしてやったりだ。

 「直線はいい手応えで負けないと思った。有馬のときは手前を替えなかったけど、今回はしっかりと替えていた。右・左(回り)は関係ないね。次も楽しみ」

 庄野師にとっても延べ22頭目挑戦で手にしたJRA・G1初制覇。目に涙を浮かべ鞍上とガッチリ握手。

 「ゲートでワンテンポ遅れたが、ジョッキーがロスなく立ち回ってくれた。序盤から流れが遅かったので、心の中で“動け”と思っていた。いいタイミングで抜け出してくれました」

 トレーナーはリチャードでレース後に流す涙は3度目。1度目は今回と同じ舞台の新馬戦。断然の支持を集めながら鼻差2着。「勝つだろうと思っていた。僕のおごりもあった。悔しくて…」。2度目は昨年のダービー(2着)。レイデオロに敗れ世代の頂点には立てなかった。「馬にとっては一生に一度ですから」。14年のセレクトセールで1億5500万円(税抜き)で取引されたダイヤの原石。この中間も間隔は詰まっていたが最終追いに鞍上を乗せ闘魂注入。調整に一点の曇りもなかった。

 「オーナーもG1を勝たれるのは初めて。(新馬戦で負けた)同じ舞台で勝てて良かった」

 今年の芝1800メートル以上の中・長距離の重賞13レース中、8勝が現4歳世代のV。ハイレベルな世代を戦い抜き頂点を極めた。今後は宝塚記念(6月24日、阪神)も視野に入る。「馬の様子を見ながらオーナーと相談して決めたい。昨年勝ったキタサンブラックは年度代表馬に。追い付け、追い越せでやっていきたい」と庄野師。パワーアップした“新生リチャード”が、このままVロードを突き進む。

 ◆スワーヴリチャード 父ハーツクライ 母ピラミマ(母の父アンブライドルズソング)牡4歳 栗東・庄野厩舎所属 馬主・(株)NICKS 生産者・北海道安平町ノーザンファーム 戦績10戦5勝 総獲得賞金4億3653万6000円。

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