【京成杯AH】10度目で悲願達成!グランシルク重賞初V

[ 2017年9月11日 05:30 ]

<中山11R・京成杯AH>レースを制したグランシルクと騎乗した田辺(右から2人目)、戸田師(右)ら
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 サマーマイルシリーズ最終戦「第62回京成杯AH」が10日、中山競馬場で行われた。中団を進んだ1番人気グランシルクが豪快に突き抜け、重賞挑戦10度目で初V。同じ15ポイントのウインガニオンと並び、2頭が“夏のマイル王者”となった。

 惜敗続きが幻だったかのような快勝劇。グランシルクが夏の名残を残す日差しの下、豪快に突き抜けた。中団に陣取ると、4コーナー手前から早めにエンジンを噴かして迷わず外へ。残り1F、逃げ粘るマルターズアポジーを抜き去ると独走。上がり3Fは最速33秒4!!通算22戦目、重賞挑戦10度目でつかんだ夢の初タイトルだ。

 初コンビの田辺は汗を拭って笑顔で切り出した。「ポッといい時に乗せていただいて。この馬自身、サマーチャンピオンの権利が残っているのは多少気になっていた」。逆転王者へ、1着だけを意識していた。4コーナー手前から追い通し。15ポイントで待つ首位ウインガニオンに並び、自力で夏王者を引き寄せた。鞍上は「今までのレースを見て、追いだした瞬間にモタモタする感じだったので早めに動いた。最後までしっかり走ってくれた。ハナに行く馬がいて、それを追い掛ける馬もいて、競馬はしやすかった」と相棒を称えた。

 これまで重賞2、3着が各2回。3歳のNHKマイルC(5着)で1番人気に推されたG1候補生だった。気が付けば5歳夏。それだけに戸田師の喜びは格別だ。「勝つ時は全てがうまくいくんですね。あまりに強過ぎ、声を出す暇もなかった。完璧に乗ってくれた」と鞍上をまず称賛した。中京記念2着後は、愛馬の状態と適性優先で京成杯AHを選んだ。「夏王者を意識したわけじゃなく、得意の中山に備えた。勝てなくて僕の方が自信をなくしかけていたけど。馬もここにきて力を付けた。同率とはいえ“プレゼント”まで付いて良かった」と夏王者を素直に喜んだ。

 次走は富士S(10月21日、東京)かスワンS(同28日、京都)。その先にはG1獲りの夢がある。鞍上・田辺のお手馬には同路線にロゴタイプもいる。戸田師は「せっかく田辺君が完璧に乗ってくれたので、続けて乗ってくれればうれしい。(鞍上の)調整は必要になると思う」と慎重に話した上で「もう一つきっちり決めて、G1に行ければ」と頂点を見据えた。田辺も「賞金も加算できたし、大きなレースに胸を張って出られる。関東のマイル路線の最前線で頑張ってほしい」と熱い期待を込めた。今夏つかんだ自信を胸にさらなる高みへ。グランシルクには“実りの秋”が待っている。

 ◆グランシルク 父ステイゴールド 母ルシルク(母の父ダイナフォーマー)牡5歳 美浦・戸田厩舎所属 馬主・シルクレーシング 生産者・北海道安平町ノーザンファーム 戦績22戦5勝 総獲得賞金2億437万8000円。

 ▼西園師(ウインガニオン) レースはドキドキしながら見てました。勝ち馬は強かったですが、同点とはいえサマーシリーズを優勝できて箔(はく)が付いたかな。この後はマイルCS(11月19日、京都)に直行します。

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