【弥生賞】ディープ産駒カデナ鮮烈差しV!皐月賞の主役に名乗り

[ 2017年3月6日 05:30 ]

<中山11R・弥生賞>福永を背に弥生賞を制したカデナ(手前)
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 皐月賞トライアルの「第54回弥生賞」が5日、中山競馬場で行われ、1番人気のカデナが鮮やかな差し切りV。皐月賞(4月16日、中山)の主役に名乗りを上げた。ディープインパクト産駒は今年の重賞初勝利で、福永はケガからの復帰週に重賞V。なお2着マイスタイル、3着ダンビュライトまでが皐月賞の優先出走権を獲得した。

 長いトンネルの先に、明るい視界が開けた。カデナが父ディープインパクトの重賞連敗を止めるとともに、福永の復帰後初Vもアシスト。「道中折り合いに苦労する面はあったが、しっかり我慢して脚はたまっていた。早めのスパートでも最後まで伸びてくれた」。会心のユーイチ・スマイルで快勝劇を振り返った。

 レースは1000メートル通過63秒2のスローペース。末脚を生かしたいカデナにとっては厳しい展開で、中竹師も「今日は無理かなと思った」と観念したほど。だが、鞍上のゴーサインに瞬時に反応して3〜4角で外を上昇すると、直線入り口では先行馬に並びかけた。こうなれば父譲りの末脚が黙っていない。外からグイッと伸びて横一線の追い比べから抜け出すと、最後は逃げ粘るマイスタイルをきっちり捉えた。

 ディープインパクト産駒は今年ここまで重賞未勝利。5年連続リーディングサイヤーにとっては異例の“スランプ”だったが、延べ38頭目のカデナが止めた。2月5日に落馬負傷(左肘内側側副じん帯損傷)した福永は今週復帰したばかりで、こちらは土曜から13鞍目でのうれしいV。「トレーニングをしてケガをする前より体調自体は良かったが、結果が伴わないと病み上がりで本調子じゃないと言われかねない。カデナに助けられましたね」と感謝の弁だ。

 調教から福永が携わっている馬。「おかげで前回より関係性が良かった」と人馬の呼吸は一戦ごとに成熟してきている。3歳になって馬体も成長。師は「幼児体形だったのが大人の体形になった。肩幅が出て逆三角形になった」と目を細める。

 鞍上にとっても悲願となる春の牡馬2冠に向け、福永は「厩舎と一体感を持ってできていて、やりがいを感じる。もっともっと良くなると思うし、一緒にタイトルを獲りたい」と意気込む。デビューから5戦全てで上がり3F最速をマークした世代屈指の切れ者。混沌(こんとん)としていた牡馬クラシック戦線にはっきりと1頭、主役が現れた。

 ◆カデナ 父ディープインパクト 母フレンチリヴィエラ(母の父フレンチデピュティ)牡3歳 栗東・中竹厩舎所属 馬主・前田幸治氏 生産者・北海道新ひだか町グランド牧場 戦績5戦3勝 総獲得賞金1億12万円。

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