菅原師 縁あるトーセンで有終飾る「人馬に恵まれて楽しかった」

[ 2017年2月22日 05:30 ]

半世紀以上の競馬人生を振り返る菅原師
Photo By スポニチ

 美浦では騎手時代に「勝負師」の異名を取った菅原泰夫師(70)が半世紀以上の競馬人生に幕を下ろす。75年にテスコガビーで桜花賞、オークス、カブラヤオーで皐月賞、ダービーと同一年春クラシック完全制覇の偉業を達成。「テスコガビーはスピードがあって乗りやすい馬。苦労はしなかった。カブラヤオーは癖馬。普段の調教からずいぶん骨が折れた。それでも師匠(茂木為二郎師)が全部任せてくれた。自分で調教してつくっていった馬だから、喜びも大きかったよ」と振り返る。

 伝説として語り継がれるカブラヤオーの逃走劇は、他馬を極端に怖がるがゆえに編み出された策。「当時は取材攻勢も凄くてね。弱点を隠し通すのが一番つらかった」と懐かしむ。心残りもある。85年朝日杯3歳Sを制したダイシンフブキ。デビュー戦から弥生賞まで無傷で5連勝したが、1番人気に支持された皐月賞でレース中に骨折(7着)。そのまま引退に追い込まれた。「3冠も狙える馬だったと思っている。残念だった」

 92年に騎手を引退後、調教師としてはトーセンクラウンで10年中山記念を制した。ラストウイークには同じ勝負服の島川隆哉氏が所有するトーセンラークが、日曜中山の富里特別に登録している。「島川さんは何も言わず全てを任せてくれた。いい時代に、素晴らしい人と馬に恵まれた。苦労も多かったけど楽しかったよ」。勝負師は静かにターフを去る。

続きを表示

2017年2月22日のニュース