【秋華賞】鹿戸厩舎の二の矢ダイワドレッサー 川須「操縦性高い」

[ 2016年10月13日 05:30 ]

ラスト1冠は譲らない!!マーベラスワン(右)と併せ馬で追い切るダイワドレッサー
Photo By スポニチ

 秋の女王の座を射止めるのは、鹿戸厩舎が放つ第2の矢だ。「第21回秋華賞」(16日)の追い切りが美浦、栗東トレセンで行われ、ラジオNIKKEI賞2着ダイワドレッサーが出色の動きを披露。同厩舎のビッシュにも負けない器用な走りに新コンビの川須栄彦(はるひこ=24)も手応えを膨らませた。

 ダイワドレッサーの馬上で川須が顔を紅潮させている。「凄くいい感触でした。操縦性が高くて、従順で前向き。ゴールを過ぎて手綱を緩めた途端に併走馬を置いてきぼりにしました」。G1で新コンビを組むとあって初めて美浦に訪れた関西ジョッキーは最終追いの動きを絶賛した。

 Wコースでマーベラスワン(2歳新馬)の2馬身後方から徐々に差を詰める。直線、インを突いて馬なりのままピタリと鼻面を合わせてのゴール。4F55秒3と、ここまではごく平凡な追い切り。馬上の川須をしびれさせたのはゴール後の1Fだ。手綱をひと握りだけ緩めると、俊敏な反応でマーベラスワンを5馬身近く引き離した。

 ストップウオッチを押し終えたゴールすぎに負荷をかける“ヤミ調教”。鹿戸師が騎手時代に調教を手伝っていた藤沢和厩舎で体得した追い切りスタイルだ。「ビッシュは秋に1度使っているからゴールで止めたが、こちらは休み明けなのでさらに負荷をかけた。カイバ食いがいいからバリバリ調教できる」と同師は口火を切った。

 鉄砲駆けの典型。競馬の疲れを引きずりやすい半面、気がいいため休養明けでも力を発揮できる。前走・ラジオNIKKEI賞2着後、本番直行を決めたのも鉄砲が利くからだ。「前走で勝ったのはセントライト記念でも好勝負した強い牡馬(ゼーヴィント)だからね。福島の小回りでもそつなく先行できたようにレースが上手。京都の内回りにも対応できる」と続けた。

 デビュー7年目の川須にとってはG1初制覇のビッグチャンス。ダイワファルコンを福島記念連覇(12、13年)に導いた実績を買われ、オーナーサイドから白羽の矢が立てられた。「先行力がある上に立ち回りが上手。京都の内回りは凄く合うはず」と言葉を継ぐ同騎手。「このコースは1角までの位置取りが大切です。いいポジションに付けられる性能は大きな武器。できれば内枠、仮に外枠でもそれなりの位置を取れるはず」。京都競馬場を熟知する関西ジョッキーらしい見立て。「結果で恩返ししたい」と、再び顔を紅潮させた。

続きを表示

2016年10月13日のニュース