【凱旋門賞】マカヒキ最大の強敵は牝馬?女傑ファウンドが怖い

[ 2016年9月27日 05:30 ]

15年10月31日、2度目のG1制覇を果たしたBCターフで(右から)2着のゴールデンホーン、3着のビッグブルーキトゥンと叩き合うファウンド

 【合田直弘氏占う】世界最高峰の仏G1「第95回凱旋門賞」(10月2日、シャンティイ)に参戦するマカヒキ(牡3=友道)の前に立ちはだかるのが、同レース過去5年で4勝を挙げる重量有利な牝馬だ。有力馬の一頭だった仏国の8戦8勝ラクレソニエール(牝3=ルジェ)は回避したものの、現在G1で5戦連続2着と強豪牡馬と互角の戦いを続ける愛国のファウンド(牝4=オブライエン)は強敵となる。これまでにオルフェーヴル、キズナ、ゴールドシップといった日本馬が苦しめられてきた女傑の動向から目が離せない。

 有力馬を多数擁し、各地で行われる複数の大レースに各馬を登録しておいて、相手関係や馬場を見ながら使い分けをするのが常で、動向がつかみづらいのがA・オブライエン厩舎の馬たちだが、そんな中にあってオブライエン師が早くから「秋の目標は凱旋門賞」と明言していたのがファウンド(父ガリレオ)だ。

 2歳秋にG1マルセルブーサック賞(芝1600メートル)を制した段階で、翌年のオークス最有力候補と言われたが、3歳シーズン開幕直前に熱発した影響で春のクラシックは無冠に終わり、秋もG1愛チャンピオンS(芝10F)2着、G1英チャンピオンS(芝10F)2着など惜敗を重ねた末に、最終戦となったG1BCターフ(芝12F)で2度目のG1制覇を果たしている。「惜敗癖」は今季も変わらず、3/4馬身差で敗れた直前走のG1愛チャンピオンS(芝10F)を含めて、目下のところG1で5戦連続2着という珍記録を更新中だ。ただし、5戦のうち4戦は牡馬に交じって走ったレースで、すなわち、牡馬の超一線級と常に互角の競馬をしてきたのがファウンドである。

 ペースや馬場にかかわらず能力を発揮し、なおかつ、使われ続けてもへこたれずに駆け続ける姿には、感動すら覚える。3頭出しのオブライエン厩舎にあって、主戦のR・ムーアはこの馬に乗る予定だ。昨年も最後の最後に報われたように、今年もそろそろ、競馬の神様が彼女の頑張りにご褒美をくれる頃合いを迎えているような気がする。(競馬評論家)

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