【福島新馬戦】ノーブルムーン女王の道へ 田村師「かなりのレベル」

[ 2016年7月1日 05:30 ]

3日の福島5Rでデビューするノーブルムーン

 みちのくにメジャー級の大物登板!?福島開幕週の2歳新馬戦4レースには素質馬が目白押し。中でも注目は日曜(3日)5Rでデビューするノーブルムーン(牝、父アドマイヤムーン)だ。昨年のJRA賞最優秀2歳牝馬メジャーエンブレムを送り出した田村厩舎の逸材。兄に重賞2勝馬を持つ良血で牡馬勢を一蹴する構えだ。

【日曜福島5R】

 小さな黒鹿毛が全身を使って躍動する。「しまいの反応が凄くいいです」。馬場の出口で馬上のスタッフから報告を受けながら、田村師はノーブルムーンに頼もしげな視線を送った。「今の時期の2歳としては完成度が高い。好位に付けられれば初戦から勝ち負けになるはず」。昨年の2歳女王メジャーエンブレムも管理する同師はためらいもなく勝算を口にした。

 11年京成杯、セントライト記念の重賞2勝を挙げたフェイトフルウォーの半妹。500キロを超す兄に比べて430キロ前後と小ぶりだが、調教では馬体をひときわ大きく見せている。「5月半ばに入厩してからメキメキと良さが出てきた。いつでも予定より速いタイムを楽に出す。それなら、初戦から戸崎に乗ってもらおうと…」(田村師)。メジャーエンブレムは新馬戦からルメールに依頼したが、こちらには東のトップジョッキー起用。「厩舎としては今年4頭目になりますが、かなりのレベルですよ」と言う。

 今夏、田村厩舎の新馬第1号となったメモリーミネルバ(牝)が東京で快勝。続くブランオラージュ(牡)が函館で4着、3頭目のファストソレル(牝)が東京で2着。父アドマイヤムーンにあやかってノーブルムーンと命名された2歳牝馬は、外れのない布陣の中でも期待の大きな良血だ。

 栴檀(せんだん)は若葉より芳しという。生産したハシモトファーム(北海道・新冠)の橋本浩社長は幼少時の動きを鮮明に記憶している。「実は牡馬の出産を期待していたのでガッカリしたのですが、柔らかくて伸びのある走りをしたんです。アドマイヤムーンのバネの良さを受け継いだのでしょう」。フリオーソやマジンプロスパーなども生産した同社長は「兄(フェイトフルウォー)は新馬戦の馬場入りで騎手を振り落としたほど激しい気性でしたが、こちらは気性も従順。当歳時から田村先生に気に入ってもらえた牝馬です」と続けた。

 福島で第一歩を踏み出す女王への道。「体がもうひと回り成長すれば、申し分のない馬になる。実にいい素材です」。田村師は小さな黒鹿毛に再び視線を向けた。

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2016年7月1日のニュース