【ヴィクトリアM】ブリリアント 最強“堀軍団”の看板牝馬に秘策あり

[ 2016年5月13日 05:30 ]

単走で追い切るカフェブリリアント

 春の古馬牝馬女王決定戦「第11回ヴィクトリアマイル」の出走馬が12日、決定した。木曜追いでは昨年5着馬カフェブリリアントが単走で上々の動き。口向きの悪さを矯正すべく、右側だけブリンカーを着用するなど対策を練っての参戦。オープン馬の宝庫「堀軍団」から、さらにG1馬が誕生するのか?同レースの枠順は13日確定し、14日から前売りされる。

【ヴィクトリアM】

 阪神牝馬S4着のカフェブリリアントはWコースで単走の最終メニュー。時折頭を上げながらも、何とか制御を利かせ、軽く仕掛けたゴール前は上々の伸び。4F55秒2~1F12秒5。スピードに乗って、弾力に富んだ走りは若々しい。

 橋本助手は「前走はモタれる面は許容範囲だったが、口向きの難しさが出た分、最後は伸びきれなかった。中間は矯正に努めながら調整してきた」と端的に切り出した。堀厩舎といえば、昨年のJRA賞年度代表馬モーリスを筆頭にオープン馬の宝庫。策はきっちり施している。この日のブリリアントの顔を見ると、右側だけブリンカーを着用。さらに豪州生まれの馬具「トライアビット」を採用した。通常のハミより制御力があるリングバミの進化版で、行きたがる馬に効果があるといわれる。

 同助手は「前走は調教でも乗りづらさがあったが、今日はその辺りは良くなった。制御力のある馬具は今の精神状態に合う。当日の馬装は決まってないが、右側だけのブリンカーはそのままいくと思う」と新装備効果を感じ取っている。

 昨年のヴィクトリアマイル(5着)では見せ場をつくった実力派。道中の消耗が響いた前走でも、勝ったスマートレイアーからわずか0秒2差。6歳春を迎えたが能力的な衰えはない。

 「特殊な展開だった昨年は勝ち馬(ストレイトガール)は強かったが、それ以外とは差がなかった。手の合うジョッキー(福永)で再び挑めるのは強み。折り合って脚をタメられれば、もうひと伸びできる。牝馬同士なら見劣りしない」と同助手は力強く結んだ。安田記念のモーリス、宝塚記念のドゥラメンテと今春G1戦線で大駒が控えている堀軍団。厩舎の“看板牝馬”が悲願のG1初制覇なら、後輩への輝かしいエールになる。

 ▼トライアビット 豪州で生まれたハミの一種で通常のハミに半円形リングがついている。当たりが柔らかいので引っ掛かる馬に対して効果が出やすく、舌を越しづらい構造も特長の一つ。日本では2、3年前から導入され急速に広まっている。

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