【ヴィクトリアＭ】「牝馬は荒れる」　リヴェールでどうだ

　【Ｇ１ドキュメント＝１２日】オールドルーキー・小林は「牝馬のレースは荒れるんや」という先輩のアドバイスのもと、穴馬探しに奔走した。目をつけたのがレッドリヴェールだ。２歳時にＧ１勝ちのある実績馬。何かキッカケさえあれば、変わる可能性を秘める。

　激変材料が２つある。一つは馬具の工夫。「初めてブリンカーを着けてみる。効果？視界を狭めるようにして、集中させることができれば」。今浪厩務員は新人記者にジェスチャーまじりで教えてくれた。成果が出れば楽しみは持てる。

　もう一つは復活の兆しが見えてきたこと。前走の阪神牝馬Ｓは１２着ながら、上がり３３秒９はメンバー中４位の数字。「スローの流れで後ろからのレースになった。でも、内容はこれまでと全然違う。変わってくる感じはある」。確かな手応えを感じとっていた。

　デビューから３連勝で２歳Ｇ１をかっさらった。当然、クラシックシーズンも人気を集めた。地力は持っている。後は“やる気”を呼び覚ませるかどうかだ。

　「この馬はバテずに根性があるのがいいところ。そこがレースで出てくれればいいけど…。肉体的には衰えはない。後は精神面だけ。ジョッキーには思い切った乗り方をしてほしい」

　デビュー３年目の石川が初めて騎乗する。気鋭の若手が触媒となって化学反応を起こさないか。前走は休み明けで１６キロの馬体増。「使って絞れてくると思う。ここまでは順調よ」。このレースのキーワードは“凡走からの逆襲”。実績馬が府中で輝きを取り戻す。