【飯塚・全日本選抜】中村、平常心で逆転Ｖ！ＳＧ５勝目“レース納得”

優勝を決めてガッツポーズをする中村

　ＳＧ「第２９回全日本選抜オートレース」は１４日、福岡・飯塚オート第１２Ｒで優勝戦（オープン、５１００メートル）が行われ、中村雅人（３５＝船橋）が最終３角、青山周平の内に飛び込み逆転優勝。１４年１１月の第４６回日本選手権（飯塚）以来、５回目のＳＧ優勝を飾った。

　レース後、中村は「いつも通り」を何度も口にした。昨年は連勝記録、年間最多勝記録にチャレンジ。その記録を更新して名を歴史に残した。その中で体得したものが、平常心の大切さということか。

　４日目までは決して満足のいく状態ではなかった。準決後、シリンダーを交換。決して肩肘張らず「勝とうという気持ちではなく、いつも通りを心がけた」と中村。スタートは想定以上のＳ３番手。２周目に２番手に上がるや、トップを走る青山を徐々に追い詰め、最終３角、背中をまるめて内に飛び込んだ。

　「レースは納得。最後、曲がれなくても飛び込もうと思って飛び込めたから」。ＳＧ５Ｖの小さな巨人はすでに追われる立場。しかし、本人にその気持ちはさらさらない。「いつまでも挑戦者でいたい。次の目標は次の１走に勝つこと」。最後をかっこよく締めくくった中村の１６年ＳＧ開幕戦は、これ以上ない輝きを放った。

　◆中村　雅人（なかむら・まさと）１９８１年（昭５６）２月２１日生まれ、栃木県出身。船橋支部所属。０３年４月１日登録の２８期生。同期は武藤博臣、桝崎陽介、山田達也、大木光ら。通算４７Ｖ（ＳＧ５Ｖ、Ｇ１・８Ｖ、Ｇ２・３Ｖを含む）。１メートル５９、４８キロ。血液型ＡＢ。