【久留米・全日本選抜】渡辺一成ついに獲った!「本当にうれしい」

[ 2016年2月15日 05:30 ]

G1全日本選抜を制しカップを掲げる渡辺一成

 渡辺一成がG1初制覇――。今年最初のG1「第31回全日本選抜競輪」の決勝戦は14日、福岡・久留米競輪場で行われ、渡辺一成(32=福島・88期)が優勝した。渡辺は「グランプリ2016」(12月30日=立川競輪場)の一番切符と、賞金2990万円(副賞含む)を獲得した。なお2着は佐藤慎太郎、3着は新田祐大で北日本勢の上位独占となった。

 渡辺が7回目のG1決勝戦で初めてゴール線を真っ先に駆け抜けた。ゴール直後に右手を突き上げた渡辺は「本当にうれしい」と喜びを語った。

 渡辺が初めてG1決勝戦の舞台を経験したのは10年6月の高松宮記念杯(9着)。「決勝に乗るうちに自分の(優勝する)順番が来る」と思いながら6年の月日が流れた。その間に同期(88期)の山崎、武田、佐藤友、成田が相次いでG1優勝。そして同県の後輩の新田も先にG1優勝を飾った。

 「悔しい思いもしたし、G1優勝は待つものでなく獲りにいくものだと意識を変えた」。強い気持ちを持って挑んだ14日の決勝戦は「新田君の後輪だけに集中」して走った。新田のスーパーダッシュを楽に追走できるのは08年の北京、12年のロンドンと2回の五輪に出場した渡辺だからこそ。最終2Cすぎに「踏ませてもらった」と、余裕を持って踏み出してG1タイトルホルダーの仲間入りを決めた。

 「前の新田君、後ろの佐藤さんと菊地さんをはじめ、北日本のみんなのおかげ」と、渡辺は北日本の仲間に何度も何度も感謝の気持ちを表した。優勝賞金の使い道を聞かれると「自分ではなく、苦労をかけている妻に何か買ってあげたい」と愛妻家の一面も見せた。

 自転車競技のスペシャリストは「リオ五輪出場(個人種目とスプリント)は厳しいが、可能性がある限りは3月の世界選手権を目標に」練習を続ける。そして「今年はSSの次に注目されると思うし、しっかり頑張っていきたい」と先を見据えて抱負を語った。

 ◆渡辺 一成(わたなべ・かずなり)1983年(昭58)8月12日生まれ、福島県双葉町出身の32歳。県立小高工卒。03年7月プロデビュー。通算成績は740戦211勝。通算取得賞金は3億7089万円。主な優勝は第28回共同通信社杯競輪(12年)、第31回全日本選抜競輪(16年)。1メートル76、80キロ。血液型A。

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