「ばんえい競馬」で不正か…騎手&厩務員が馬券購入の疑い

[ 2015年12月12日 05:30 ]

記者会見で頭を下げる帯広市ばんえい振興室の佐藤徹也室長

 北海道帯広市が主催し、馬が鉄そりを引く「ばんえい競馬」の騎手や厩務員が、ばんえい競馬の馬券を購入していた疑いが強まり、道警は11日、競馬法違反の疑いで、帯広競馬場内にある厩舎など複数の関係先を家宅捜索した。競馬法は不正防止の観点から、地方競馬の騎手らが地方競馬の馬券を購入することを禁じている。

 市によると、インターネットを通じた馬券購入の記録に騎手らの氏名が残っていたという。「関係者の中に馬券を買っている人がいる」との情報提供があり、市は11月から調査を開始していた。

 騎手や厩務員ら数人全員が本人名義で馬券購入サイトに登録。市がサイト運営側に照会したところ、このうち1人は2013年1月から約3年間で、ばんえい競馬や他の地方競馬の馬券を少なくとも877回購入した履歴があった。

 市は疑いのある騎手や厩務員に、11日以降の業務活動の停止を命じた。レースは予定通り開催する。ばんえい競馬はインターネット経由での馬券販売が伸びたことで14年度の売り上げは過去最高を記録。盛り上がりムードに水を差す格好となった。

 ▽競馬法 中央競馬や地方競馬の在り方を定めた法律。不正防止のため、地方競馬の調教師や騎手らは地方競馬の馬券を購入してはならず、同様に中央競馬の関係者は中央競馬の馬券を購入してはならないことが規定されている。それぞれ馬券を譲り受けることも禁じられている。違反した場合は、100万円以下の罰金が科せられる。

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2015年12月12日のニュース