【天皇賞・秋】サトノクラウン筋骨隆々走!休養明け進化クッキリ

[ 2015年10月30日 05:30 ]

さあ古馬退治だ!!オコレマルーナと併せ、追い切るサトノクラウン(手前)

 「第152回天皇賞・秋」の枠順が29日に確定し、毎日王冠を逃げ切ったエイシンヒカリは5枠9番に入った。この日、3番枠に入った3歳馬サトノクラウンが美浦で木曜追い。ダービー以来約5カ月ぶりの実戦を前に、Wコースで素軽い動きを披露した。3歳馬の秋盾制覇となれば、02年シンボリクリスエス以来13年ぶりの快挙。ひと夏を越えて心身ともに成長したダービー3着馬から、古馬撃破の雰囲気が漂っている。なお、30日に金曜発売が行われる。

【天皇賞・秋】

 サトノクラウンの大きく盛り上がったトモ(後肢)が“弱点”克服を物語っていた。Wコースでの最終追いはオコレマルーナ(6歳1600万)を1馬身追走してスタート。掛かり気味の僚馬を横目にスムーズに折り合い、余裕の手応えで併入した。4F55秒1と時計は地味だったが、春の好調時に見せていた沈み込むような走りは健在。栗東から駆け付けたルメールは「反応が良くて、ストライドも問題ない。休み明けだけど、とてもいい状態だ」と笑顔で好感触を伝えた。

 一方、堀師は「火曜(27日)に背中にできものができて、追い切りを延ばすか思案した」と誤算があったことを明かした。その上で、「けさの段階で追い切れると判断。その部分を気にしていないか、ジョッキーにも確認してもらったが大丈夫。先週しっかりやっており、量も予定通り。問題ない」と納得の表情だ。

 さらに堀師は「この馬は仙腸関節(骨盤と背骨をつなぐ関節)に大きなズレがある」と肉体的な弱点にも言及。腰関節のズレは体全体のゆがみを生み、それを無意識にかばうことで疲れが蓄積する。実際、ダービー後は1カ月たっても疲れが抜けず、天皇賞・秋へぶっつけ参戦とせざるを得なかった。だが、この休養期間中に状況は大きく好転した。「(関節の)周りの筋肉が鍛えられ、今はアンバランスさが目立たない」と師。骨格の問題を筋肉が補うことで、ウイークポイントが解消されたのだ。

 馬体の成長は精神面にも好影響をもたらした。ダービーでは最速の上がり(3F33秒8)をマークしながら、出遅れが響いて3着。「春はまだイライラするところがあった。今は、どっしり落ち着いている」と指揮官。「けさのゲート練習でも全く問題ないし、何とか五分のスタートを切りたい」と期待を込める。

 舞台となる東京芝は3戦2勝の好成績。師も「いま日本で競馬をしている限りでは、東京が一番適性がある」と力を込める。卓越したポテンシャルに体が追い付いてきた3歳の逸材が、強力古馬陣をまとめて負かす可能性も十分だ。

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2015年10月30日のニュース