【札幌記念】ヒット“気持ち重視”Wコース単走5F72秒2

[ 2015年8月21日 05:30 ]

函館Wコースで追い切ったヒットザターゲット

 「第51回札幌記念」の木曜追い切りが20日、札幌、函館競馬場で行われた。函館ではヒットザターゲットがWコースで一変の動き。1週前追いでは“気ムラ”の面をのぞかせ未勝利馬相手に後れを取っていたが、この日は単走で、最後まで集中して走り末脚を伸ばした。前走の目黒記念を11番人気で制し重賞4勝目と復活ののろしを上げた7歳馬に不気味なムードが漂ってきた。

【札幌記念】

 函館で調整中のヒットザターゲットは前走の目黒記念をメンバー最速の脚で差し切りV。スランプを脱し上昇ムードで北上したかに思えたが、1週前追いでは“気ムラ”な面を露呈した。未勝利馬相手にまさかの3馬身遅れ(Wコース)。ただ、休養明けでも乗り込み量は豊富。決して出来落ちではない、が陣営のジャッジ。「気持ちを乗せる」というテーマのもと最終調整を敢行した。

 Wコース単走。角馬場から鞍上がハミに集中するよう馬に促し、入念にコンタクトを取りながら馬場入りする。跳び上がるように1歩目が出ると、序盤からスムーズにギアが入り5F72秒2。1コーナーからムチを振るって追い上げていた1週前とは違い“戦闘モード”のスイッチが入る。鞍上の扶助も肩ムチだけにとどまり、ラストは気分良く流して13秒2でフィニッシュ。付きっきりで稽古役を務める清生助手のトーンも一気に高まった。

 「テンから急がせると馬が嫌気を差して反抗するので、けさは“おうかがいを立てる”ように、じっくりと乗った。気分良く走れていたし、仕掛けてからの反応も良かったです」

 競馬場滞在のため限られた施設での調整を強いられた。坂路追いが中心の同馬にとって、慣れないコースでのトレーニングに戸惑い、最終デモでようやく人馬の呼吸はピタリと一致した。加藤敬師は「全体時計はそれほど変わらないが、しまいの反応が1週前とは違う。良馬場で気分良く走れれば」と再度の激走に期待を寄せた。

 前走の目黒記念は11番人気という低評価を覆した。得意の内枠から直線は馬群を縫うように進出して、約1年8カ月ぶりとなる白星で重賞4勝目。その勢いに加え洋芝も5戦3連対と得意とする舞台。清生助手は「馬群でカッカさせるような競馬ができれば」と小回り攻略のポイントを挙げる。再度の大駆けで“穴党のヒーロー”になるつもりだ。

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2015年8月21日のニュース