ハープスター引退 繋靭帯負傷に種子骨靭帯炎も併発

[ 2015年5月8日 05:30 ]

昨年の桜花賞、大外から豪快に差し切るハープスター(手前)

 昨年の最優秀3歳牝馬ハープスターが引退することになった。7日、馬主のキャロットファームがホームページで発表した。今月1日に右前脚の繋靭帯(けいじんたい)を傷めたため、長期休養に入ることが発表されていたが、この日までに種子骨靭帯炎も併発していることが判明。復帰までにかなりの時間を要し、快方に向かったとしても再発の可能性が高いことから、関係者の話し合いで引退の決断が下った。今後は繁殖牝馬となり、名牝系の血をつないでいくことになった。

 同馬は今年のドバイシーマクラシック8着後、帰国してヴィクトリアMに向けて調整が進められていた。しかし、放牧先のノーザンファームしがらき(滋賀県)で脚元に疲労が見られたため、ノーザンファーム早来(北海道)に移動、そこで2度のエコー検査を行った結果、関係者の想像以上に重い症状の診断が下った。

 馬主のキャロットファームは「新潟2歳S、桜花賞と素晴らしい内容で勝ってくれました。結果的にG1を一つしか勝てなかったのは残念ですが、凱旋門賞(6着)やジャパンカップ(5着)で強敵相手にあれだけのパフォーマンスを見せてくれて、本当に能力は高い馬でした。ベガの貴重な血をつないでいくという意味でも、牧場に繁殖牝馬として帰れるのはいいことだと思っています。子供がお母さんに負けないぐらい活躍してくれることを期待しています」とコメントを発表した。

 同馬は父ディープインパクト、祖母に93年桜花賞&オークスを制した名牝ベガを持つ良血。昨年の桜花賞でも最後方から17頭をまとめて差し切りG1初制覇。札幌記念ではゴールドシップを撃破し、秋には3歳牝馬として初めて凱旋門賞に遠征して、メンバー最速の末脚を繰り出したものの6着。自身の海外G1制覇は成らなかったが、その夢は最短で19年夏にデビューすることになる子供に託されることになる。

 ◆ハープスター 父ディープインパクト 母ヒストリックスター(母の父ファルブラヴ)牝4歳 栗東・松田博厩舎所属 馬主・キャロットファーム 生産者・北海道安平町のノーザンファーム 戦績11戦5勝(うち海外2戦0勝) JRA総獲得賞金3億6024万8000円。

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