【天皇賞・春】バリアシ“7歳の進化形”10度目の正直へ照準!

[ 2015年4月29日 05:30 ]

悲願のG1制覇を狙うウインバリアシオン。坂路調整でも元気一杯

 もう銀メダルはいらない。豪華メンバーがそろった「第151回天皇賞・春」は、G1・2着4回の古豪ウインバリアシオンにとって、“悲願達成”のチャンスだ。2度の屈腱炎を乗り越えたタフネスは、過去3、2着と好相性の舞台で頂点を目指す。

【天皇賞・春】

 G1・10度目の挑戦。もはや「悲願」の2文字は、ウインバリアシオンの代名詞となっている。11年ダービー&菊花賞、13年有馬記念は同期オルフェーヴルにはね返されて2着。ライバルがターフを去った、昨春の天皇賞も2着に泣いた。決戦ウイークを迎えた火曜朝、松永昌師が決意を語った。

 「“何とか”とは、いつも思っているけど、相手がいるからな。良馬場でも、雨が降っても関係ない馬。この舞台は一番合っているんちゃうかな」

 春の天皇賞は12年3着、14年2着と好相性。特に昨年は直線強襲し、勝ったフェノーメノに首差まで迫った。人気を集めたキズナ、ゴールドシップのG1馬2頭には先着。“悲願”に最も近づいた瞬間だった。

 そこから試練が待っていた。続く宝塚記念(7着)の後、2度目の屈腱炎を発症。暮れに復帰するも2戦連続で惨敗した。「もう終わった感じもしたけどね」と指揮官は振り返るが、愛馬は終わっていなかった。

 7歳を迎えた今年初戦の日経賞(2着)で、復活をアピールした。しかも、新たなスタイルまで開拓。後方一気の脚質から、好位直後で流れに乗る競馬で結果が出た。指揮官は「内でジッと我慢して、うまく乗ってくれた。今の京都は前が止まらないし、しまい一辺倒では厳しい。自在に競馬ができたことが、今回につながれば」と力を込める。

 “新生”バリアシオンを導き出した、鞍上・福永の存在は心強い。デビュー5戦で手綱を取った元相棒。前走で約4年ぶりにコンビを組んだ鞍上は「ずいぶん、しっかりしていたね。天皇賞に向けて、ある程度行き脚をつけときたかった」と意図を説明。1週前追いにも騎乗した鞍上は「1回使って状態は上がっている」と上積みを感じ取った。

 鞍上は26日の香港G1・クイーンエリザベス2世Cで、ステファノスを2着にエスコート。あらためて、その名を世界に刻んだ。今週末は国内で、その手綱さばきに期待が懸かる。「上位の一頭であるし、いい勝負ができると思う。悲願のタイトルを獲らせてあげたいね」と意気込む。悲願達成の瞬間は視界に入っている。

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2015年4月29日のニュース