【スプリングS】2歳王者ダノンプラチナ 距離延長に打ち勝つ成長力

[ 2015年3月17日 05:30 ]

プールで調教をするダノンプラチナ

 東の真打ちが万全の態勢で始動する。皐月賞の最終トライアル「第64回スプリングS」(22日、中山)で最大の注目を集めるのがダノンプラチナだ。3連勝で朝日杯FSを完勝。芦毛のディープインパクト産駒として初めてG1ウイナーに輝いた2歳チャンピオンが4連勝でクラシックへ前進する構えだ。

【スプリングS】

 筋肉のよろいをまとったようなグレーの馬体に国枝師が頼もしそうな視線を向けている。「2歳に比べて張りが増し、実が詰まってきた」。ダノンプラチナの成長力を強調すると、こう続けた。「これからは距離との戦い。マイルからどこまで対応できるか。私は2000メートルまではもつと思っているが、まずは今回の1800メートルで様子を見たい」

 未勝利、ベゴニア賞、朝日杯FSとすさまじい瞬発力で差し切った3連勝は全てマイル戦。これからは未知の領域に挑むが、同師はそのレースぶりに中距離適性を感じている。「朝日杯ではゴール前でもお釣りがあった。小回りの中山ではなく、力勝負の阪神外回りであんな勝ち方ができたのだから距離の融通は利くはずだ」と言う。主戦・蛯名は「テンションが上がりやすく自分で盛り上がっちゃうところがある」と前置きしながら、「気持ちさえコントロールできれば2000メートルでも大丈夫」と語る。

 母系はマツリダゴッホ、ナリタトップロードを出した米国の名血レアレディーの一族。母バディーラを米国から導入した生産者の千代田牧場・飯田正剛社長は「母系から2000メートルまでは守備範囲。父ディープインパクトの力を借りればダービー(2400メートル)にも対応できる可能性がある。そういう配合をしたんだ」と期待を寄せる。

 サラブレッドの世界にも父子相伝があるなら、ダノンプラチナは父の走りをそのまま受け継いだのだろう。蛯名は「ディープインパクト産駒らしいフットワークの柔らかさ」を最大の長所に挙げる。国枝師も「軽いうえにバネもあって、走りにブレがない」と言う。

 1月4日から2月11日まで千代田牧場(千葉県)でエネルギーをたっぷり充電してきた。「きゃしゃな体で朝日杯を勝った素質に成長力が加われば…」。筋肉のよろいをまとった馬体に国枝師が再び頼もしそうな視線を向けた。

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2015年3月17日のニュース