【フェブラリーS】コパノリッキー 史上初の連覇へ究極ソフト仕上げ

[ 2015年2月19日 05:30 ]

史上初の連覇へウッドチップをかきあげながら追い切るコパノリッキー

 連覇へ究極のソフト仕上げだ。15年中央競馬G1シリーズの開幕戦「第32回フェブラリーS」の最終追い切りが18日、栗東トレセンなどで行われた。昨年の優勝馬コパノリッキーはラスト1Fだけ時計を出した感じの軽めのもの。だが、これは陣営の思惑通り。本番まで余力を残し、レース史上初の連覇へ静かに態勢を整えた。同レースは20日、枠順が確定する。

【フェブラリーS】

 「動かなかった」のではなく「動かさなかった」が正解だろう。コパノリッキーの最終追いは栗東CWコースで単走。向正面から4コーナーを回り切るまで、アクションらしいアクションは何もなし。レース前の追い切りというよりは、普段のキャンター調整といった雰囲気。G1馬らしい動きを見せたのは、直線を向いてゴールまで残り200メートルを切ってから。ラスト1Fは11秒8まで加速したが、中盤までセーブした分、余力十分のフィニッシュだった。

 全体時計は6F87秒4。前走(東海S1着)の最終追いで同80秒8をマークしているリッキーにとっては物足りない数字だ。村山師も「もう少し攻めてもよかったかな」と苦笑いだが、直前のソフト仕上げは指揮官の計算通り。11日の1週前追いでは直線びっしりと追って同79秒7を叩き出している。「1週前が思ったより速くなったし、日曜(15日)の坂路調整も(4F)58秒台のつもりが55秒6と速かった。オーバーワークにならないよう、いい調整ができた」と納得の表情だ。

 昨年は抽選で滑り込み出走を果たし、最下位16番人気でのV。王者として人気を背負う今年は「立場が違う」と気を引き締める。村山師自身、13年にテスタマッタで連覇に挑んで7着に敗れており、その難しさは身に染みている。

 ただ、真の目標は連覇ではない。昨年暮れのチャンピオンズC、東京大賞典で完敗したホッコータルマエの存在だ。「明らかに力負け。もっとパワーアップしないと勝てない」。年明けからカイバの量を増やし、調教の負荷も強めた。昨年は530キロ台だった体重が、現在は550キロまで増加。「タルマエと再戦するまで負けられない」という執念が生んだビルドアップだ。

 「負けたのはいずれも馬群でモマれる形。意識してでも外を回ってスムーズな競馬ができれば。強いリッキーを見せたい」と決意をにじませた指揮官。ドバイへ旅立つ宿敵は不在だが、その存在こそが勝利への原動力。真のダート王を目指すリッキーにとっては、レース史上初の連覇という偉業も、単なる通過点にすぎない。

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