【秋華賞】ショウナンパンドラ、女王ヌーヴォ撃破!浜中恩返しV

[ 2014年10月20日 05:30 ]

外から猛追するヌーヴォレコルトを首差抑えてG1初勝利を挙げたショウナンパンドラ

 牝馬3冠最終戦「第19回秋華賞」が19日、京都競馬場で行われた。3番人気のショウナンパンドラが中団待機から内を突いて抜け出すと、外から伸びた1番人気ヌーヴォレコルトの追い上げを首差振り切って優勝、牝馬3冠の最後のタイトルをものにした。5戦ぶりのコンビ復活となった浜中は馬場状態を考えての好騎乗でオーナーへの“恩返し”を果たした。また、開業4年目の高野友和調教師(38)は重賞初勝利をG1で成し遂げた。

【レース結果】

 ショウナンパンドラに騎乗した浜中は、終始インコースにこだわった。前半1000メートル通過は58秒0の超ハイペース。直線手前、前方からバテた先行馬が後退してきてもジッと我慢。逃げたペイシャフェリス、リラヴァティの間にできたスペースに飛び込んだ。一方、直後にいた断然人気のオークス馬ヌーヴォレコルトは進路を求めて5頭分外へ。ゴール前2頭の内外離れての追い比べは経済コースを通ったパンドラに首差だけ、軍配が上がった。

 「内側の馬場がいいので、こだわって乗った。G1だしリスクを背負わないと勝てない。一番難しい4コーナー手前をうまくさばけたので、いけると思った」

 浜中にとって今春のNHKマイルCに続くG1勝利は記念すべき今年100勝目。加えて国本オーナーへの恩返しができたことがうれしかった。

 2人の間には忘れられない馬がいる。それがG1の常連ショウナンマイティ。デビューから7戦連続で騎乗。いったん武豊へと手綱を譲る形となったが、オーナーから再びオファーを受けてコンビを組んだ。「騎手人生の中でも大きな存在だと思う。クラシックに出られず下手くそに乗っても乗せ続けてくれた。失敗した経験を少しでも生かせられたらと」と浜中。苦い経験は決して無駄にはしなかった。

 パンドラはデビューから4戦で騎乗したパートナー。今春のフラワーC以来5戦ぶりのコンビ復活だった。国本オーナーは「信じることが大事。空いているなら乗ってほしいとお願いした。若いけど、おごりはないし先輩のアドバイスもよく聞く。素晴らしいジョッキー。浜中と勝ててうれしい」と満面の笑みを浮かべた。

 開業4年目の高野師にとっては重賞初勝利がG1初制覇となった。指揮官は「僕が初めてというより、G1を獲って不思議のない馬ですからね。この秋は、一つも不安なく調整してこれたし心身共に成長を感じた」と目を細める。今後は古馬相手のエリザベス女王杯(11月16日、京都)が有力となるが「状態を見てオーナーと相談して決めたい」と指揮官。秋の淀で素質開花したパンドラが古馬勢に立ち向かっていく。

 ◆ショウナンパンドラ 父ディープインパクト 母キューティゴールド(母の父フレンチデピュティ)牝3歳 栗東・高野厩舎所属 馬主・国本哲秀氏 生産者・北海道白老町社台コーポレーション白老ファーム 戦績9戦3勝 総獲得賞金1億3563万円。

 ◆高野 友和(たかの・ともかず)1976年(昭51)2月4日生まれの38歳。福島県出身。松田国厩舎の調教助手を経て10年調教師免許取得。11年開業。JRA通算68勝、今年17勝。 

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