一番弟子が受け継ぐ川島イズム

[ 2014年9月19日 05:30 ]

地方競馬に大きな足跡を残した川島師。その遺志は佐藤裕太師が継承する

 【地方競馬です!!】7日に病気のため66歳で死去した川島正行師(船橋)の通夜が12日に、告別式が13日に営まれ、2日間で1000人以上が弔問に訪れた。場内に飾られた思い出の写真や、管理馬の映像を見るたびに、先生の明るい声が聞こえてくるようだった。担当となって14年の記者ですらそうなのだから、ご遺族をはじめ、もっと長く深いお付き合いをされてきた人たちの気持ちは、いかばかりだったろうか。

 6月に調教師免許を取得した一番弟子の佐藤裕太師(39)に17日、大井競馬場で会った。「無事に送り出すことができました」と語ったが、まだ心に埋めがたい穴があいているように見えた。3年前、少人数で川島師と食事をした時のことを思い出す。師は柔和な顔で、隣の記者にささやいた。「裕太はいい調教師になるぞ。もう少し周りの声を聞いて生かせるようになれば、なおいい」

 これだ、と信じたことをとことん貫き通した。と同時に、周囲のいいものも柔軟に吸収した。そんな自らの信念に基づいた言葉だったのではないだろうか。川島イズムを受け継ぐ一人、佐藤裕太師は近々、厩舎を開業する。(池田 裕文)

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