【新潟新馬戦】先月急死ヴェルデ全妹カッテカテ 兄の分も勝て

[ 2014年9月19日 05:30 ]

手向けのデビュー戦に挑むカッテカテグリーン

 兄の無念を背負って初陣へ。13年オールカマーなど重賞2勝を挙げたヴェルデグリーンの全妹カッテカテグリーン(相沢)が20日の新潟6R新馬戦に出走する。先月、腸閉塞で急死した兄同様、相沢郁調教師(55)と田辺裕信騎手(30)のコンビで挑む手向けのデビュー戦。入念な調整で臨戦態勢を整えている。

【土曜新潟6R】

 ヴェルデグリーンと同じ鮮やかな栗毛の大流星、感性の強そうな瞳。兄に似た顔立ちのカッテカテグリーンに視線を送りながら、相沢師は寂しげにつぶやいた。「来週はオールカマーか。無事なら2連覇に挑めたが…」。兄が腸閉塞で急死したのは8月3日。腹痛を起こし、美浦トレセンで開腹手術を受けたが、手の施しようがなかったという。カッテカテグリーンは兄の跡を継ぐように同じ週の9日、悲しみに包まれる相沢厩舎へ入厩してきた。

 10年に馬体重462キロでデビュー勝ちした兄よりも小さい420キロ。「兄さんと比べるのは早過ぎる。もっと体が成長してこないと…」。相沢師の厳しい視線は期待の裏返しでもある。1カ月半の入念な乗り込みで小柄でもたくましい筋肉を付けてきた。瞬発力に優れている半面、トモ(後肢)の緩さが目立つジャングルポケット産駒。「でも、この馬は幸いトモに緩さがない」という。裂蹄に悩んだ兄と違って蹄も丈夫な健康優良児。「追い切り量も豊富。全きょうだいだから厩舎の期待は大きい」と同師は続けた。兄の主戦を務めた田辺も「以前から下(妹)が厩舎に入ってくると聞いていた。走ってほしい」と語る。

 カッテカテ(勝って勝て)とは連戦連勝を願ってネーミングされた。99年オークスを428キロで制し「小さな樫の女王」と呼ばれたウメノファイバーの孫が挑む手向け走。祖母も育てた相沢師は「お兄さんの分も」と願いを込めた。

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2014年9月19日のニュース