【関屋記念】クラレント重賞5勝目!テン乗り田辺で道悪攻略

[ 2014年8月18日 05:30 ]

先行するダノンシャーク(内)を差し切り、重賞5勝目を飾ったクラレント

 絶好調・田辺が鮮やかなテン乗りV。サマーマイルシリーズ第2戦「第49回関屋記念」は17日、新潟競馬場で行われ、中団を進んだ4番人気クラレントが力強く伸び、重賞5勝目。初騎乗の田辺裕信(30)は通算重賞10勝目、今夏重賞2勝目で「サマージョッキーズシリーズ」24ポイントで単独トップに浮上した。また、優勝したクラレントも「サマーマイルシリーズ」11ポイントで、こちらも首位に躍り出た。

【レース結果】

 さすがはメンバー最多の重賞4勝の貫禄。クラレントには初めての新潟も、湿った馬場も関係なかった。テン乗り田辺が見事なエスコート。中団で丁寧に折り合いをつけ、直線は真ん中へ。残り1F、先に抜け出したダノンシャークを目標に左ムチを飛ばすと、グイッと鋭伸!!堂々と半馬身ねじ伏せたところが、重賞5勝目のゴールだった。

 殊勲の田辺は喜びをかみしめた。「思った通りのポジション。折り合いに専念した。真横にマジェスティハーツ、前にダノンシャーク。近くの有力馬を見ながら、うまく運べた。天気が回復したのも良かった」

 前2戦の安田記念(10着)、中京記念(8着)は道悪に泣いた。この日の新潟も朝から土砂降り。再び暗雲!?が漂ったが、幸運にも午後は雨が上がった。11R直前、重→やや重へ。「厩務員さんも、前2戦より馬場は悪くない…と。できるだけ、いい部分を選んで走らせた」。芝が掘れだした内は避け、先行抜け出し策もVパターンの同馬の戦略を柔軟に変えた。小倉出張の橋口師に代わり、同行した山手助手も「また道悪で大丈夫かな!?と思ったが、馬場を考えると、枠(13番)も良かった。ジョッキーがうまく乗ってくれた」とクレバーな騎乗を称えた。

 それにしても、田辺の今夏の活躍はお見事。同じくテン乗りで制した地元福島の七夕賞(メイショウナルト)に続き、重賞2勝目。「サマージョッキーズシリーズ」争いでは柴田善(16ポイント)を抜き、首位(24ポイント)に躍り出た。

 「実はきょうもナルトの時も乗り方の指示はなかったんです。馬場や展開で作戦は変えなくちゃいけないし、ありがたかった。先入観を持たずに乗れたので」。田辺はダービートレーナーの橋口師から全権委任されたことを心底感謝した。「これまで橋口先生の馬に乗ることは多くなかったけど、これでつながりもできる。それが本当にうれしい」と率直に喜びの言葉を続けた。

 さらに“サマー王者”には特別な思いもある。王者になれば、ワールドスーパージョッキーズシリーズ(11月29、30日=東京)に優先出場できる。もちろん、過去に出場はない。田辺は「勝ち鞍で自力で出られれば一番だけど、なかなか厳しい。王者になって行ける道があるのなら意識します」と目を輝かせた。

 今夏大活躍の巧腕に導かれ、昨年6月エプソムC以来の復活Vを飾ったクラレントも、「サマーマイルシリーズ」では11ポイントで首位。順調なら次走はサマーマイルシリーズ最終戦、京成杯AH(9月14日、新潟)になる予定。人馬共に、夏の王者を懸けた熱い夏になりそうだ。

 ◆クラレント 父ダンスインザダーク 母エリモピクシー(母の父ダンシングブレーヴ)牡5歳 栗東・橋口厩舎所属 馬主・前田晋二氏 生産者・北海道新冠町ノースヒルズマネジメント 戦績22戦6勝 総獲得賞金2億9935万1000円。

続きを表示

この記事のフォト

2014年8月18日のニュース