【皐月賞】橋田厩舎期待の2頭、デヴィアス&デウスに“不思議な縁”

[ 2014年4月16日 05:30 ]

坂路で調整するアドマイヤデウス

 アドマイヤデウス&スズカデヴィアスで挑む橋田厩舎。この2頭には不思議な縁がある。デウスの祖母アドマイヤラピスとデヴィアスの曾祖母ローズオブスズカは、同じ92年生まれの愛国産。橋田師は「確か同じセリで現オーナーに購入していただいた。牝馬の場合は競走馬としてはもちろん、繁殖の価値も考えますからね」と懐かしそうに振り返る。

【皐月賞】

 近藤利一氏が購入したラピスはスポニチ賞ステイヤーズS2着など現役時7勝と活躍し、母としてアドマイヤホープ、アドマイヤフジなどを輩出。永井啓弍氏がセリ落としたローズは競走馬デビューは果たせなかったが、07年高松宮記念優勝馬スズカフェニックスを送り出した。血が引き継がれ、今回同じG1舞台に立つ…これがドラマ。

 自ら探し当てた血筋での大舞台。師は「競走馬は見た目だけでは分からない。精神面、心肺機能、筋肉の代謝…。最後は血統が出てくるんです。成功する確率が高くないからこそ、また面白い」と胸を躍らせる。

 重賞実績はないが、勢いは注目の的。デウスはあすなろ賞→若葉Sと2連勝。「前走で脚をタメる競馬ができたのは収穫。自在性があり、母系からスタミナも受け継いだ。問題は相手が強くなることでしょ?」と指揮官はクールに笑った。デヴィアスは未勝利→すみれSとこちらも2連勝。「体質が弱く、年明けデビュー。新馬(7着)は競馬にならず、2戦目も自分でハミを取らなかったが、以前よりも前向きになった。使いながら、体が増えているのがいい」と目を細める。

 アドマイヤベガ、サイレンススズカなど名馬を育てた名伯楽。勝負の厳しさも痛感している。「クラシックは出るだけでは駄目ですからね…」。楽な挑戦ではないことを痛感しつつ、師は“我が子”の奮闘を祈った。

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