【高松宮記念】またコパノ!リチャード“風水パワー”で3馬身差圧勝

[ 2014年3月31日 05:30 ]

高松宮記念を3馬身差で圧勝したM・デムーロとコパノリチャード

 風も水も味方につけて、鮮やかなG1初制覇だ。春のスプリント王を決する「第44回高松宮記念」が30日、中京競馬場で行われ、単勝3番人気コパノリチャードが好位追走から力強く抜け出し、3馬身差の圧勝を飾った。Dr.コパこと小林祥晃氏(66)はフェブラリーSのコパノリッキーに続き、史上初となる馬主G1開幕2連勝。生産のヤナガワ牧場も連勝となった。大雨と強風で悪化した馬場を物ともせず、まさに“風水パワー”で栄冠を手にした。

【レース結果】

 G1を先頭で駆け抜けたのは、またも黄色い勝負服だった。フェブラリーS・コパノリッキーに続き、3馬身差の圧勝を演じたコパノリチャード。Dr.コパこと小林祥晃オーナーは「G1勝ちも2回目なら、まぐれじゃないよね」と胸を張った。

 高松宮記念初の不良馬場。時計の掛かる馬場に気を使う騎手が多い中、M・デムーロの考えはシンプルだった。「他馬は気にしない。この馬の競馬をすれば結果はついてくる」。ハクサンムーンが出遅れる意外な展開にも慌てない。離して逃げるエーシントップを見つつ、2番手のインを追走。馬場の荒れていない4分どころのぎりぎりを立ち回り、直線ではサッと馬場のいい外に出した。一気の加速で圧勝。ゴール前で両手を広げる“飛行機ポーズ”を取ったため過怠金10万円の制裁を受けたのは、ご愛きょう。「追い切りで重い馬場をこなしていたからね。勝てる自信を持ってレースに臨めた。外の馬を見ながら進め、直線では本当にいい脚。(飛行機ポーズは)応援してくれたファンへの感謝の気持ちでやった。制裁が来たのは残念だね」。鞍上には終始、余裕があった。

 報道陣の輪の中で小林オーナーの笑顔がはじけた。強風も雨も味方につけた。これぞ風水パワーなのか。準備は万端だった。阪急杯(1着)前に訪れ、相性のいい伏見稲荷(京都市伏見区)。今回もいったん名古屋を通過して京都で参拝し、験を担いだ。さらに引き返して熱田神宮(名古屋市熱田区)へ。桶狭間の戦いの前、織田信長が必勝祈願をしたとされる場所でVを祈った。「やはり勝負事に縁起は大事。ラッキーフードの鶏肉も朝からいっぱい食べたよ。前回と同様、好きな酒も2週間前から断った。今夜は白ワインがおいしく飲めそうだ」

 次走は安田記念(6月8日、東京)という選択肢もあるが、宮師は「東京コースはNHKマイルC(8着)の走りからも現段階では厳しいと思う。オーナーと相談して決めたい」と慎重。ただ、分からない。目下のコパ氏の勢いなら“2階級制覇”もやすやすと決めてしまうかもしれない。

 ▼飛行機ポーズ 07年12月の中日新聞杯(サンライズマックス)を制した際に初めて披露。この時は5万円の過怠金を取られている。08年ジャパンC(スクリーンヒーロー)を勝った時はウイニングランでこのポーズをしたが、この時はおとがめなしだった。

 ◆コパノリチャード 父ダイワメジャー 母ヒガシリンクス(母の父トニービン)牡4歳 栗東・宮厩舎所属 馬主・小林祥晃氏 生産者・北海道日高町ヤナガワ牧場 戦績12戦6勝 総獲得賞金2億6861万9000円。

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2014年3月31日のニュース