【ドバイシーマC】ジェンティル前年の雪辱V!「最後の海外」で悲願

[ 2014年3月31日 05:30 ]

直線伸びてドバイシーマクラシックをVのジェンティルドンナ(右)

 日本時間30日未明に行われたドバイ国際競走で日本馬2頭がG1を連勝した。ジャスタウェイ(牡5=須貝)がドバイデューティフリーで海外G1初挑戦初Vを達成すると、続くドバイシーマクラシックではジェンティルドンナ(牝5=石坂)が昨年2着の雪辱を果たし、日本牝馬初となるドバイG1制覇を飾った。日本馬8頭は4月4日に帰国の途に就く。

 激闘から一夜明けた30日朝。厩舎で静養するジェンティルドンナを見守った石坂師。すがすがしい表情に満足感を漂わせながらも、発したのは安どの言葉だった。「馬がリラックスしていてカイバも食べている。目に見えない疲れはあるかもしれないが、見た限りは元気。体もどこも問題ない」

 最後の直線。前が詰まって行き場を失ったジェンティル。ムーアが瞬時の判断で外に持ち出す際、馬体をねじ曲げ真横に跳ぶようにステップを踏んだ。「少し変な格好になったからね」。レース直後は脚元への影響を心配していたが、平然とした姿に、まずは一安心。と同時に、あらためてムーアの好騎乗を称えた。「あのまま進路がなく終わってしまっても、おかしくなかったレース。ジョッキーの判断は正しかったし、あの体勢から再び伸びたのは馬の底力。本当に凄い馬だと思う」

 ムーアも同じく「底力」という言葉を口にした。「外に出す際のアクションに非常に素早く馬が反応してくれた。タフな馬だ。(昨年の)ジャパンC(1着)より、さらに強くなっていると感じた」。鞍上が馬のポテンシャルを信じたことが、勝利を決めた華麗なステップにつながった。

 年内引退が決定しているジェンティル。日本牝馬初のドバイG1制覇という新たな勲章を手にし、残る目標は前人未到のジャパンC3連覇。石坂師は「恐らく今回が最後の海外」としたが、オーナーの吉田俊介サンデーレーシング代表は「今後は全くのノープランだが、選択肢が広がったのは間違いない」と新たな挑戦に含みを残した。

 次の舞台がどこになっても、その走りで世界中の競馬ファンを魅了し続ける。

 ◆ジェンティルドンナ 父ディープインパクト 母ドナブリーニ(母の父ベルトリーニ)牝5歳 栗東・石坂厩舎所属 馬主・サンデーレーシング 生産者・北海道安平町ノーザンファーム 戦績15戦9勝 総獲得賞金14億2535万3400円(戦績、賞金共に海外含む)。

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2014年3月31日のニュース