【中山記念】ジャスタウェイ、ドバイへ壮行V!代役・横山典お見事

[ 2014年3月3日 05:30 ]

2着以下の馬がターフビジョンに映し出される中、圧勝したジャスタウェイ

 ジャスタ、盤石の壮行V――。伝統の古馬重賞「第88回中山記念」が2日、雨中の中山競馬場で行われた。2番人気のジャスタウェイが道中3番手からインを突き抜け、3度目の重賞V。G1馬の貫禄を見せつけ既に参戦を表明しているドバイデューティフリー(29日=日本時間同日深夜、メイダン芝1800メートル)に弾みをつけた。

【レース結果】

 さすがは天皇賞馬。ジャスタウェイには久々も58キロも、雨でぬかるむ馬場も関係なかった。殊勲は巧腕・横山典だ。後方一気のジャスタのイメージを覆し、なんと3番手インへ。残り1F、バテたトウケイヘイローのさらに内を狙った。ラチと馬1頭の狭いスペースを一瞬で縫うと独走。終わってみれば、2着アルキメデスに3馬身半差の完勝。まさにG1馬の威厳だ。

 横山典は穏やかに笑みを浮かべた。「いや、凄い馬ですよ。スタートが速くないと聞いていたので、その点だけ注意した。あとは中山のセオリー通りに前へ。直線?厳しい場所に入ってしまったけど、馬が強いから、抜け出てくれたよ」。

 横山典は4度目の中山記念V。思えば、後方一気が代名詞のカンパニーを08年中山記念で突然の2番手からVに導いたのも、テン乗りの横山典だった。先行有利、外を回っては届かない難コースを知り尽くす名手だからできた芸当。主戦・福永の騎乗停止で指名した須貝師も「コーナー4回の競馬がどうかと思っていたけど、ゲートもちゃんと出てくれた。さすがはいい馬の背中を知っている。内に行くか、外に行くかで進路を探した時はドキッとしたけど…。本当に理想的な競馬をしてくれた」と最敬礼。昨秋天皇賞(1着)以来の体は6キロ増でも太め感なし。付くべきところの筋肉はさらに隆起し、貫禄すら漂った。指揮官は「湿った馬場?多少気にしたけど、馬の出来が良かったから大丈夫だと信じていた。帰厩後、凄くいい馬になっていた」と目を細めた。

 これで招待を受諾済みのドバイデューティフリーに胸を張って参戦。本番は最終追いにも騎乗した福永に戻る。完璧な形でバトンを渡す横山典は「ブエナビスタ(ドバイ遠征前の10年京都記念V)の時もいい形で送り出せたね。ドバイでは乗れないけど、頑張ってほしい」とエールを送った。「しっかりと横山典くんが代役を務めてくれた。強い勝ち方だったし、胸を張ってドバイに挑める」と須貝師。決戦は4週後の29日。冬に戻った中山から常夏のドバイに渡っても、ジャスタの進撃は続くはずだ。

 ◆ジャスタウェイ 父ハーツクライ 母シビル(母の父ワイルドアゲイン)牡5歳 栗東・須貝厩舎所属 馬主・大和屋暁氏 生産者・北海道浦河町社台コーポレーション白老ファーム 戦績17戦4勝 総獲得賞金3億6099万円。

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