中山でフラッシュ引退式、ファンから惜別の拍手 種牡馬でも注目

[ 2013年12月24日 05:30 ]

22日の有馬記念に出走できなかったエイシンフラッシュが引退式で最後の勇姿をファンに見せる

 10年ダービー、12年天皇賞・秋を制したエイシンフラッシュ(牡6=藤原英)の引退式が23日、中山競馬場で昼休みに行われた。右前球節捻挫で出走予定だった有馬記念を回避。引退式もいったんは中止と発表されたが、症状が軽いため、種牡馬としてけい養される社台スタリオンステーション(北海道安平町)への輸送の途中で、中山に立ち寄る形で引退式が実現した。

 フラッシュが2人引きで芝コースに姿を現すと、場内のファンから歓声が上がった。傍らにはエイシンの赤黒の勝負服をまとった内田(ダービーV)とMデムーロ(天皇賞・秋V)。ターフビジョンにはフラッシュの軌跡をまとめた映像が流された。天覧競馬となった天皇賞を制した際、Mデムーロが下馬しスタンドの天皇、皇后両陛下にひざまずいたシーンが流れると、大きな拍手が湧き起こった。「決して諦めない強い馬。一生忘れられない。子供にもぜひ乗りたい」とMデムーロ。管理した藤原英師は「日本男児らしく、ひたむきに走った。貴重な体験をさせてもらった」と別れを惜しんだ。

 総額4億8000万円の種牡馬シンジケートが組まれており、初年度の種付け料は150万円に決定。生産者の吉田照哉・社台ファーム代表は「サンデー(サイレンス)系の牝馬に種付けできるので、既に多くの申し込みが来ている。この馬の一番いいところは丈夫なところ。競走馬としては重要な要素で、丈夫ないい産駒がたくさん生まれると思う」と、種牡馬としての成功に太鼓判を押した。

 ◆エイシンフラッシュ 父キングズベスト 母ムーンレディ(母の父プラティニ)牡6歳 栗東・藤原英厩舎所属 馬主・平井克彦氏 生産者・北海道千歳市社台ファーム 戦績27戦6勝 総獲得賞金7億8711万6400円(海外含む)。

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