【セントウルS】嵐呼ぶ兄弟サドン&ハーフ 切れ勝負で打倒王者

[ 2013年9月6日 06:00 ]

隣同士の馬房で兄弟対決を待つティーハーフ(左)とサドンストーム

 競馬カレンダーは秋競馬がスタート。セントウルS(8日、阪神)ではサドンストームとティーハーフの兄弟対決が実現する。

【セントウルS】

 世界王者ロードカナロアを脅かすのは、兄弟の絆パワーだ。西浦厩舎が送り出す兄サドンストーム、弟ティーハーフは1つ違いの全兄弟だ。ともに芝1200メートル戦で全ての勝ち星を挙げている生粋のスプリンター。さらに馬名(サドンストーム=突然の嵐、ティーハーフ=アラビア語の「嵐」に近い造語)も意味は、ほぼ同じ。鋭い切れ味が武器な点も似ている。2頭を手掛ける深川助手は兄弟の共通点を、こう表現する。

 「しようもないしぐさが似ている。ともにニンジンが大好き。切り出したら、寝ててもブーブー鳴く。どっちが鳴いているのかなっていうくらい似てる」

 ただ、性格は全く異なるという。「弟は安定して自分の力を出せるが、兄はメンタル面が弱く自分との戦いになるタイプ」。同じ栗毛でニンジンが好きでも、気性面は異なるようだ。

 兄の前走(北九州記念)は1番人気で10着。小倉への前日輸送が響き、まともな精神状態で臨めなかった。「思ったより体が減った(12キロ減)。レース当日朝は絶食状態」。これでは好走は無理。当日輸送で臨める今回、当然、巻き返しが期待される。

 弟は4カ月ぶりの実戦で初の古馬挑戦と条件的には厳しいが、コメントは前向きだ。「休ませて幅が出た。本格化はもう少し先かもしれないが、成長曲線は兄と似ている」。鞍上の武豊は過去10戦中、8戦でコンビを組んできた。名手は「一瞬の切れは、いいモノがある。期待している馬」と将来性を評価する。

 2頭の兄ラッキーナイン(父ドバウィ)は香港スプリント界の英雄だったが、11年のこのレースで2着(勝ち馬エーシンヴァーゴウ)に敗れた。兄の雪辱がなれば、同時に世界王者を倒すことにもなる。兄弟はしのぎを削り、さらに手も取り合って、大仕事をもくろむ。

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2013年9月6日のニュース