【宝塚記念1週前追い】ジェンティル貫録“一番時計”

[ 2013年6月13日 06:00 ]

<宝塚記念>ベストウォーリア(左)を置き去りにするジェンティルドンナ

 年度代表馬の貫録だ――。「第54回宝塚記念」の1週前追い切りが12日、美浦、栗東トレセンで行われた。圧巻のパフォーマンスを披露したのは岩田を背にしたジェンティルドンナ(牝4=石坂)。坂路の併せ馬で僚馬をあっさり突き放し、4F51秒9の猛時計をマーク。馬体も究極の出来に刻一刻と近づいている。

【宝塚記念】

 この日の栗東坂路はウッドチップを足した影響で相当にタフ、そして時計の掛かるコンディション。そんな中、ジェンティルドンナは4F51秒9~12秒4の3番時計を苦もなくマーク。ラスト1Fに限れば堂々の一番時計だ。3月30日のドバイシーマC以来、2カ月半ぶりに感触を確かめた岩田は、その成長ぶりに感嘆の声を上げた。

 「ドバイより数段パワーを増してるし、去年以上のパフォーマンスを見せられる状態です。きょうは結構な時計だったけど、それでもトボけてるし遊んでる。ケロッとしてたよ。充実しているし、凄くいいね」

 ベストウォーリア(ユニコーンS出走)との併せ馬。序盤は馬体を離していたが、ラスト2Fで横に移動。1F手前で追い出されるとグンと加速して、最後は2馬身の先着だ。時計はもちろんのこと、その圧倒的な威圧感はさすが年度代表馬と思わせるもの。史上屈指と言われる超強力メンバーを前にしても、まったく気後れはない。

 「オルフェと戦う以上、挑むということに変わりはないけど、オルフェが相手だから最初から負けるとかじゃない。3強を射程圏内に入れながら、あとはオレが(ジェンティルを)どう点火させるか。JCは9割方の力を出してるけど、秋華賞はなかなか点火しなかったし、ドバイは点火していないからね」

 前走で約1年ぶりの黒星を喫したが、力を出し切ったわけではないと岩田は明かす。今度こそ全力を――。そう導くのは自分の役目だと気を引き締める。

 「ジェンティルはまだ能力を隠してる。そこを引き出して、勝つために完璧なレースをします」

 強気な言葉を並べるのは自らを鼓舞する意味もあるだろう。しかし、それだけじゃない。2カ月半ぶりのコンタクトで、岩田は確かな手応えをつかんでいた。

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2013年6月13日のニュース