【朝日杯FS】武豊 ティーハーフ抽選突破で全冠資格ゲット!

[ 2012年12月14日 06:00 ]

武豊全G1制覇の期待がかかるティーハーフ

 2歳王者を決する「朝日杯FS」(16日、中山)の出走馬が13日、決まった。6分の5の抽選を通過し、ティーハーフがゲートイン。武豊騎手(43)はJRA・G1・22レース全制覇の大偉業に挑む。枠順は14日確定、15日に前売りされる。

【朝日杯FS】

 騎乗馬ティーハーフが6分の5の抽選をくぐり抜けた。武豊、いよいよ空前絶後、JRA平地G1全制覇(22競走)の偉業に挑む。「そういう話題で過剰に人気になると困るけどね」。この人らしく、周囲の反応をサラリとかわしたが、「ここまで来たら何とかしたいという気持ちは、もちろんある」と本心は隠さなかった。

 ただ、ティーハーフは今回が初のマイル戦。前走・京都の500万戦(1200メートル)のように、短距離で切れ味を生かすタイプで、距離が最大の鍵。武豊は「距離延長はプラスにならないだろう。ただ、1600メートルに応じた乗り方はしたい」。課題と認めつつ、それを克服する騎乗を模索する。

 これまで重ねた我慢に比べれば、距離の壁への挑戦など、大した障壁ではない。デビュー2年目からのJRA・G1連続勝利が昨年「23年」で止まった。騎乗馬に恵まれず、体も思うように動かなかった。年間212勝(05年)を挙げた男が、10、11年は2桁止まり。だが、決して弱音は吐かなかった。スポニチ本紙コラムには前向きな言葉をつづり、取材には丁寧に答えた。いらだちを抑え、焦りを封印し、いいリズムが来るまで耐えて耐えて…、そしてつかんだマイルCS(サダムパテック)での2年ぶりG1。「みんなが待っているのに、応えられないことがつらかった。誰よりも僕が一番喜んでいる」。お立ち台で心からの言葉があふれ出た。

 間違いなく中央競馬史上、最高の騎手。出遅れながら差し切ったシャダイカグラでの89年桜花賞。終わったと思われたオグリキャップで快勝した90年有馬記念。武豊にしか演出できないミラクルが、いくつもあった。「やっと勝ったから、これからケチャップみたいにドバドバ出るかな」。マイルCSのお立ち台で本田圭佑ばりに語った言葉が現実となるかもしれない。有言実行の男。それが武豊だからだ。

続きを表示

2012年12月14日のニュース