【JCダート】ブランデー復活予感 一心不乱!ラスト12秒6

[ 2012年11月30日 06:00 ]

併せ馬で軽々先着したグレープブランデー(右)が復活の時を迎えた

 秋のダート最強馬決定戦「第13回JCダート」(12月2日、阪神)の出走馬、枠順が29日、確定した。唯一の木曜追いを行ったグレープブランデーは、坂路で併走馬を圧倒する抜群の動きを披露。3歳時に交流G1・ジャパンダートダービーを制して世代の頂点に立った逸材が、大一番を前に完全復調ムードだ。同レースは12月1日から全国で前日発売される。

【JCダート】

 グレープブランデーは坂路で“復活”を予感させる豪快な動きを見せた。序盤はウォーターデューク(4歳500万)の3馬身後方でじっくり我慢。残り400メートルから馬体を並べて気合をつけられると、グングン加速。前日同様にタフな馬場状態だったが、力強いフットワークで僚馬を一気に5馬身突き放した。ラスト1Fは12秒6。安田師は控えめに口を開いた。

 「きょうは前に馬を置いて、かわすという内容。テン(前半)にセーブしているから、しまいはこれぐらいは動く。ほかにも、もっと速い馬がいただろう?」

 そのラスト1Fはエイシントップの12秒4に次ぐ2番目の好タイム。思わず指揮官の頬も緩んだ。

 「ここ最近の中でも一番いい状態だと思う。頂点の出来に近づいている」

 デビュー以降、ダート戦で驚異的な強さを見せてきた逸材。昨年7月の交流G1・ジャパンダートダービーで世代の頂点に立ち、厩舎の偉大な先輩を脅かす存在になった。師は「トランセンドにとっても、凄いライバル」と評価していた。

 だが、昨年9月に右前蹄骨を骨折。約10カ月の長期休養を余儀なくされた。実戦感が戻るのに時間はかかったが、3走前の阿蘇Sで1年1カ月ぶりのV。近2走も重賞で58キロの酷量を背負いながら善戦してきた。

 「前走(みやこS6着)も最後は伸びているが、前の馬もなかなか止まらなかった。今回は重量が1キロ減って他馬と同じ57キロになるし、前進に期待したい」

 2頭出しの厩舎の中で、注目は3連覇に挑む王者トランセンドに集まる。だが、最後に指揮官は不敵な笑みを浮かべた。「トランセンドは行けたら行くしかない。グレープについては、どう乗るかは内緒。ひそかにチャンスはあると思うし、狙っている」。“2頭出しは人気薄を狙え”の格言通り、目が離せない。

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2012年11月30日のニュース