【毎日王冠】ストロングリターン「具合良すぎるぐらい」

[ 2012年10月5日 06:00 ]

<第63回毎日王冠(G2)>リアルインパクト(奥)と併せて追い切るストロングリターン

 秋の東京開幕を飾る「第63回毎日王冠」の木曜追い切りが4日、美浦、栗東トレセンで行われた。6月安田記念でG1初優勝を飾ったストロングリターンは僚馬リアルインパクトを手応えで圧倒して半馬身先着。始動戦Vに向けて、万全の仕上がりだ。

 ストロングリターンがG1馬の貫禄を誇示した。パートナーは同じ毎日王冠に出走する僚馬リアルインパクト。Wコースの5F標識で2馬身前にいた2歳後輩を余力を持って追走し、直線は内へ。必死に手綱をしごく相手に対し、リターンは軽く仕掛けた程度で楽々と力強く半馬身先着。もし追っていれば、ぶっちぎっていた抜群の手応え。6月安田記念以来でも、仕上げに一点の曇りもない。

 橋本助手の穏やかな表情が順調さを物語る。「いい動きだったですね。ここを目標に早めに放牧先から戻したが、帰厩時もいつもより硬さがなかった。具合が良過ぎて、体は多少余裕があるぐらい。きのう(3日)の時点で540キロ(前走・安田記念は516キロ)。それでも輸送で10キロ以上は減る馬なので、当日は増えていても許容範囲で出せる」

 記録的猛暑となった今夏も無事乗り越えた。G1初制覇を飾った安田記念から6日後に宮城・山元トレセンへ放牧。6月下旬からはウオーキングマシンやアエロホースを使った水中歩行運動を行い、7月下旬に乗り運動を開始。山元トレセンの坂路で時計を出し、8月31日に美浦に帰った。十分な運動量と時間を割いて、秋初戦に万全を期した。同助手は「春の連戦の疲れが抜けなかった昨秋や、骨折明けだった今春と比べても、調教過程は全然違う」と目を細める。

 東京芝は【5314】の成績通り、ベストの舞台。レコードで制した安田記念から、絶好の芝の時計勝負もOK。ただ、陣営は楽観はしていない。「折り合いに専念し、後ろから末脚に懸ける馬。今回は1800メートルなので、ペースが緩くなる可能性がある。それに(G1勝ちで)他馬より重い58キロ。開幕週だから、届かない可能性はあるかもしれない」と同助手はあえて不安材料も掲げた。

 そんな先行馬有利の開幕週だからこそ、突き抜けるようなら本物だ。末脚の破壊力は、オルフェーヴルにも負けない現役屈指の切れ者。秋の大目標のG1・2勝目に向け、譲れないリターンの始動戦だ。

 ≪福永の毎日王冠成績≫98年=テイエムオオアラシ(8)、01年=エイシンプレストン(1)、02年=同(2)、03年=同(3)、05年=カンパニー(7)、06年=同(5)、08年=サクラメガワンダー(4)、10年=アリゼオ(1)、11年=ダークシャドウ(1)=数字は着順

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