トレセンだって「なでしこパワー」美浦の腕利き美女たち

[ 2012年8月10日 06:00 ]

的場厩舎の小井土美紀厩務員

 競馬界も、なでしこが頑張ってます!!五輪で大活躍の日本女子選手に負けじと美浦トレセンではホースウーマンが奮闘中。小井土美紀厩務員(34)は触れ合いを重視して馬をリラックスさせ、厳しい的場均調教師(55)も絶大な信頼を寄せる。他にも優しさと厳しさを併せ持った腕利き美女が。美浦のなでしこたちが夏競馬を盛り上げる。

 競走馬を抑え込むには心もとない細い腕。力仕事では男にかなわない。でも、小井土厩務員には自慢がひとつだけある。「君が担当しているうちに馬の顔が優しくなってきたな」。辛口で知られる的場師からのねぎらいの言葉だ。彼女が世話をすると、うるさい馬もおとなしくなる。

 「500キロもある馬が暴れ出したら女性の手には負えません。そうならないようにするには毎日のコミュニケーションが大切。馬はしゃべれないから、しぐさや表情から気持ちを分かってあげたい」。わが子を慈しむ母親のように丹念にブラッシング。的場師は「担当馬の小さな変化も見逃さない。それほど愛情を注ぐから馬も優しい顔になるし、レースでいらつかない」と絶大な信頼を寄せる。

 「馬は撫(な)でがら」。世話する人間次第で馬は良くも悪くもなるという格言だが、トレセンには彼女のように母性愛を惜しみなく注ぐ女性厩務員が多い。その担当馬は騎手の指示に従順で、レースで力を出し切る。競馬界の“なでしこパワー”だ。

 小学4年時に競馬ファンの父親に連れられて行った中山競馬場で、メリーナイス(87年ダービー)の栗毛の四白流星に魅了されJRAの門を叩いた。初めて担当したオープン馬カナハラドラゴンでは競走馬の美しさと共に凄みと悲しみを味わった。「他馬が近づくと耳を絞って威嚇した。最後はレース中の粉砕骨折で死んでしまって…。申し訳ないことをしました」

 ◆小井土 美紀(こいど・みき)1977年(昭52)10月16日、千葉県生まれの34歳。厩務員。高校卒業後、茨城・水野馬事センターに6年勤務。JRA競馬学校(厩務員課程)卒業後、01年美浦配属。菊川、山田厩舎を経て現在は的場厩舎。

続きを表示

2012年8月10日のニュース