【レパードS】魅力たっぷり!イジゲンの強さで初重賞だ
異次元の強さをここで披露する。今週の新潟メーンは3歳ダート重賞「レパードS」。09年優勝馬トランセンド(11年ドバイワールドC2着)が世界へと飛躍した注目の一戦。今年の主役はスタートで後手を踏みながらも強引な競馬でねじ伏せ続け、3勝をマークしているイジゲンだ。全くの粗削りだが、それがスケールの大きさを感じさせ、魅力たっぷり。先々はトランセンド同様に世界を狙える素材が、初重賞を獲りにいく。
粗削りだが未知の魅力にあふれた素質馬。イジゲンが重賞初制覇を狙う。古馬と初対戦だった前走・彦星賞(福島)は、内枠(5番)で痛恨の出遅れ。すぐに加速して追いついたものの、密集した馬群の内には入れず、最初の1角で他馬にはじかれるように馬群の外へ。序盤のロスが響いて向正面も中団より後ろを追走した。
だが、そこからのレースぶりが圧巻。3角手前から一気に加速し、先行するライバルたちをねじ伏せるようにポジションを上げていった。4角では大きく外に膨れたが、直線で軌道修正すると、そのまま先頭に立ち、後続の追い上げも振り切った。「ゲート内の駐立が悪く出遅れ。荒っぽい競馬になったが、それでも楽に押し切ってくれた。能力の高さを示した」と橋本助手は振り返った。
3月の未勝利戦は2着に4馬身、続く500万下も3馬身半差をつけるワンサイド勝ち。いずれも後方からまくり、直線入り口から叩き合って最後は突き放すスタイル。この馬の勝ちパターンとも言える。2連勝で臨んだ端午Sこそ4着に敗れたが、先着を許した3頭はいずれも強豪。勝ち馬ハタノヴァンクールは交流G1ジャパンダートダービー(大井)も制し、世代の頂点に。2着グッドマイスター、3着ホッコータルマエも次走で古馬混合の1000万下を勝っており、かなりハイレベルな一戦だった。
「ゲートは課題だが自在性がある馬。今回は重賞で相手も強くなるが、しっかり出て流れに乗っていければ」。橋本助手が期待を懸けるのも当然だ。
前走後は厩舎で調整。「暑さもあるし間隔も空いたが、至って順調。前走はセーブ気味の調整だったし使った上積みもある」(同助手)と目標のレースにきっちりと照準を合わせてきた。オープン馬の宝庫・堀厩舎から新たなスター候補の誕生か。異次元の走りに注目だ。
≪父は米G1・3勝≫イジゲンの父エンパイアメーカーは米G1・3勝。米で種牡馬入り後、持ち込みのフェデラリスト(中山記念)、ダイワプリベール(芙蓉S)などが好成績を挙げ、10年に日本へ。昨年は204頭、今年も200頭以上に種付けする人気種牡馬となっている。けい養する日本軽種馬協会静内種馬場・中西信吾場長は「現役時から雄大な馬体にほれ込み、日本の芝にも必ず合うと考えて導入した。馬産地の人気も非常に高い」と話していた。
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