【マイルCS】闘志戻った!グランプリボス復権だ!

[ 2011年11月17日 06:00 ]

<マイルCS>坂路でグランプリエンゼル(奥)と併せて追い切られたグランプリボス

 秋のベストマイラーを決定する「第28回マイルCS」の追い切りが16日、行われた。昨年の2歳王者グランプリボスが栗東トレセンの坂路で迫力あふれる動きを披露した。気合が乗り、休み明けだった前走のスワンS8着から大幅な変わり身を感じさせる脚さばき。G1・2勝馬の真価を発揮する舞台装置は整った。なお同レースは17日に出走馬18頭が確定、18日枠順が決まる。

 グランプリボスはグランプリエンゼル(5歳オープン)をパートナーに坂路入り。最初の1Fから13秒7と積極的に仕掛けられると、次の2F目はグイッと加速して12秒2。さらに3F目も12秒0とペースを上げての猛稽古。さすがにラスト1Fは13秒3と時計を要したが、全体の時計51秒2は優秀だ。右ステッキで気合をつけられる僚馬と馬体を併せてしっかり負荷がかけられたうえに、ゴールではきっちり半馬身先着。見届けた矢作師は「あそこでもうひと踏ん張りできれば…」と注文をつけながらも、その表情には確かな手応えがうかがえた。

 「先週はテンが遅かったので、今週はテンから飛ばしていけという指示。当初の目的は達成できた」

 休み明けだったスワンSから確実に上昇気配。「前回より良くなっているのは間違いないよ」とトレーナーが胸を張る。その前走、後ろから前に壁を作って進めたものの、この馬らしい末脚の切れを発揮できなかった。NHKマイルCと比較してプラス24キロの馬体重がこたえたのか?これにはトレーナーが即座に否定。「NHKマイルCのときは500キロでギリギリかなって思うぐらい減っていたし、絶好調とも思えなかった。この前も太かったわけじゃない」として、敗因を「気持ちの準備ができていなかったから。妙に落ち着き過ぎていて、本来の闘志が鳴りを潜めていた」という。ひと叩きしたことで気合が乗ってきた。強敵を前にしても一歩も引くことはない。

 「僕が競馬ファンならわくわくするぐらいのメンバー。本当に強い相手。でもうちの馬ももちろん遜色ないし、むしろ上位だと思っている」

 昨年の2歳王者であり、今年のNHKマイルCを制したG12勝馬としてのプライド。鞍上のデムーロもボスとのコンビで京王杯2歳Sと朝日杯FSを勝ち、その能力を絶賛している。

 「次は香港遠征をするつもり。最低でもいいレースをしてほしいよね」

 トレーナーは力を込めた。戦国模様のマイル界の“ボス”となるために、この大一番は譲れない。

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2011年11月17日のニュース