【マイルCS】リアル“春秋連覇”へ貫録2馬身先着!

[ 2011年11月17日 06:00 ]

<マイルCS>サトノプライマシー(左)と併せ追い切るリアルインパクト

 3歳の勢いか古馬の意地か。マイルCSの最終追い切りが16日、美浦、栗東両トレセンで行われた。美浦では3歳馬として初めてG1安田記念を制したリアルインパクトが、貫禄を見せつける余裕の動きで万全の仕上がりをアピール。春秋マイルG1連覇へ大きく前進だ。栗東では前哨戦のスワンSを快勝した4歳馬リディルも豪快なフットワークで快時計をマーク。悲願のG1優勝へ臨戦態勢を整えた。

 野獣のような闘志は内に秘めたまま。それでも凄みを感じさせるリアルインパクトの最終追いだった。

 リアルアヴェニュー(4歳500万)、サトノプライマシー(2歳新馬)と縦に隊列を組み最後方から追走。向正面で1秒以上あった差を、3角手前からどんどん詰めていく。直線はまず先導役のリアルアヴェニューが脱落し、残り100メートルはサトノプライマシーと馬体を併せる形。目いっぱい手綱をしごかれ必死に食い下がる2歳馬をかわいがるかのように、終始余裕を残したまま軽々と併入した。

 「先週もいっぱいにやっているが、今週も5Fからしっかり負荷をかけられた。シャープな馬体で使いたいから中間は攻めてきたが、ここまではすこぶる順調に調整できた」。橋本助手は自信たっぷりに切り出した。休み明けで2着に激走した毎日王冠の直後は、疲労で動きに硬さも見られたが「間隔があったので余裕を持って調整を進められた」とすっかり回復。その前走は同厩舎の先輩馬ダークシャドウ(天皇賞・秋2着)の末脚に首差屈したが、好位から抜け出すレースぶりを橋本助手は「この馬の競馬の形が確立できた」と高く評価する。

 春に比べて体重が増え、体力面の成長はもちろんだが、精神面も大人になった。「春は攻めていくとキリキリして、並脚もできないような感じになったが、今はそういうこともなく堂々と歩いている。全体的にどっしりした」と同助手。気性が落ち着いたことで、不安なくハードな攻めを課することができる。それが地力強化につながるという競走馬としての理想的なサイクルが成立している。

 史上6頭目の同一年マイルG1春秋連覇を目指すが、達成すれば3歳馬としては初の快挙。4度対戦して1度も先着できていない同期グランプリボスとは、G1馬となって初めての対戦となる。「相手のことを言っても仕方ない。この馬の競馬をするだけ」と橋本助手は冷静だが、まさに雌雄を決する一戦だ。競馬史に名を刻んだディープインパクトの息子が、新たな歴史の1ページを開く。

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2011年11月17日のニュース