【七夕賞】夏女来た~!イタリアン最強季節に初重賞

[ 2011年7月11日 06:00 ]

<七夕賞>重賞初制覇を飾ったイタリアンレッド(15)

 夏だ、牝馬だ、イタリアンだ!!名物ハンデ重賞「第47回七夕賞」が96年以来15年ぶりに中山競馬場で行われ、7番人気の伏兵イタリアンレッドが外から鋭く差し切り、重賞初制覇を決めた。中舘英二騎手(45)は93年ツインターボ以来、七夕賞2勝目となった。

 最高気温32度に達した中山競馬場。人も馬も汗びっしょりの中、イタリアンレッドだけは涼しい顔で馬群を追走した。7、8月の競馬では過去4戦無敗。生粋の夏女なのだ。悠々と大外を回って直線へ。中舘の右ムチに鋭く反応すると坂上で力強く先頭に立った。タッチミーノットの強襲を首差しのいで波乱演出。「夏は牝馬」の格言通りの快走で初重賞をゲットした。

 「乗り難しい馬で、出していくと引っ掛かり、かといって使える脚も一瞬。でも、今回は馬の力の80%は出せたかな。とにかくスムーズな競馬を心掛けた」と中舘。オープンに上がってからは差し届かないレースが続き、前走・マーメイドSでも前がごちゃついて4着。ベテランは力を出し切ることだけを考えた。無欲で追ったその先に重賞制覇があった。

 セレクトセールに備え北海道入りした石坂師に代わってレースを見届けた古川助手は「アストンマーチャン以来だね」と鞍上に声をかけた。07年スプリンターズSを逃げ切り、中舘に13年ぶりのG1をプレゼントした名馬も石坂厩舎の馬だった。「前走も今回も出来は抜群だった。冬は体が硬くなるが夏場はそれがない。本当に暑い時季は強いね」と目を細めた。

 所有する東京ホースレーシングの山本英俊代表は「調子が良く、しかも外差しが決まる良馬場。勝つ条件がそろっていた」と分析した。「石坂師が大事に使ってきた成果だろう。次走は調教師と相談だが、おそらくサマー2000シリーズを狙っていくのでは」とコメント。「小倉が得意(5戦4勝)だから小倉記念(31日)かもしれない」と古川助手もシリーズ転戦をにおわせた。真っ赤な夏女がサマーシリーズを引っ張っていく。

 ◆イタリアンレッド 父ネオユニヴァース 母バルドネキア(母の父インディアンリッジ) 牝5歳 栗東・石坂厩舎所属 馬主・東京ホースレーシング 生産者・北海道千歳市社台ファーム 戦績16戦6勝 総獲得賞金1億2838万3000円。

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2011年7月11日のニュース