【プロキオンS】鬼脚さく裂!フォーチュン重賞初V

[ 2011年7月11日 06:00 ]

<プロキオンS>(右から)ケイアイガーベラ、ダノンカモンを豪快に差し切ったシルクフォーチュン

 京都の「第16回プロキオンS」は9番人気シルクフォーチュンが追い込みV。圧倒的1番人気のケイアイガーベラは3着に敗れた。

 目の覚めるような一撃でタイトルをもぎ取った。激しい攻防となったラスト1F、馬群を割って1頭すさまじい勢いで突っ込んでくる。道中、最後方にいたシルクフォーチュンだ。直線だけで前との差を詰めると最後はダノンカモン、ケイアイガーベラを一瞬に抜き去り2馬身半差のV。芝並みの上がり3F34秒9で問答無用にねじ伏せた。

 圧巻の勝ちっぷり。鞍上・藤岡康ですら驚くほどの破壊力だった。「最後は乗っている僕がビックリするくらい。凄い切れ味で周りが止まって見えた。乗っていて気持ち良かった」

 コンビを組むのは初めてでも、初コンタクトでパートナーの力を感じ取ったという。「返し馬の時、乗り味が良くていい馬だなって思った」。鞍上はただ良さを引き出すことに専念。息を潜めて虎視たんたんと勝機をうかがっていた。

 「この馬の末脚を信じて乗るだけだったので、前は気にならなかった。じっくり構えて直線の進路は乗った感じで決めようと思っていた。はまったにしても強い勝ち方。よく頑張ってくれた」

 今の脚質からすればダート1800メートルで逃げ切って初勝利を挙げたのが意外。短距離ダートに矛先を向けてからは追い込みのスタイルを築き上げた。展開次第の面もあり、昨秋のオープン昇級後は我慢のレースが続いた。それでも藤沢則師に迷いはなかった。

 「(作戦は)後ろから行って、あとは康太に任せていた。馬は具合が良かったので展開がはまれば、と思っていたけど勝つ時はこんなもの。うまく前が開いたね」

 条件クラス在籍時には上がり3F34秒1を刻んだ経験もある末脚自慢がついに重賞ウイナーの仲間入り。次走はNST賞(31日、新潟)へ。わが道を行く個性派が夏競馬をさらに盛り上げていく。

 ◆シルクフォーチュン 父ゴールドアリュール 母シルクエスペランサ(母の父アルワウーシュ) 牡5歳 栗東・藤沢則厩舎所属 馬主・シルク 生産者・北海道新冠町中地義次氏 戦績20戦6勝 総獲得賞金1億1257万9000円。

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2011年7月11日のニュース